美的公平性とは
美の重視は現代社会の変えようのない流れである。自分の美しさを磨くために、ファッションやメイクをしたとしても、人の見た目は生まれ持った骨格やパーツの形によって大きく左右されてしまうし、メイクでカバーするとしても良い容姿を生まれ持った人よりも金銭や時間を割かないといけない。そのため美を重視する社会は非常に理不尽で不平等だと言えよう。その理不尽さ故に自身の容姿にコンプレックスを持つ「醜形恐怖症」に苦しめられる人間が人口の2~3%存在するなどルッキズムは大きな問題を生んでいる。だがそうは思っても周囲からの評価を保つために美を追求し続けなければいけないのである。
こうした相反する潮流の中で現代社会に暮らす我々はどう生きていけば良いのだろうか。人間の本能として見た目を重要視してしまうことは自然であり悪だと見なされるべきではないが、それを態度や言葉に出すことは許されなくなりつつある。これから我々は容姿を重んじる「動物的人間」と平等公平を重んじる「社会的人間」の狭間で生きていくことを真剣に考え直さなければならない。