ついに決勝戦!プリスマと幸せの青い鳥
2024年8月27日。ついにUNIDOL 2024 Summer 決勝戦が幕を開けた。今大会は数々の著名なアーティストもライブを開催するZepp DiverCity(TOKYO)で行われた。
「普通の女子大生」が挑む一夜限りのステージ
UNIDOL(ユニドル)の決勝は、審査員やゲストも豪華な顔ぶれが揃う。今回のMC兼スペシャルゲストは元Juice=Juice所属で現在ソロアーティストとして活躍している稲場愛香(いなばまなか)さん。
ダンスの実力だけでなく、卓越したビジュアル、アイドルらしい甘い歌声、バラエティ能力全てを兼ね備え、実力者揃いのハロプロでも才能を発揮していたアイドル。
そして、決勝戦の運命を握るのは豪華な審査員4名。
[一人目]ハロー!プロジェクトの振付、ダンス指導も行っているみつばちまき先生。みつばちまき先生が振付を担当した楽曲:Juice=Juice『微炭酸』(Juice=Juice[Lightly Sparkling])(Promotion Edit)
[二人目]AKB48や坂道グループなどの振付も行っているCRE8BOY(クリエイトボーイ)さん
CRE8BOYさんが振付を担当した楽曲:【MV full】センチメンタルトレイン (完全版) / AKB48 53rd Single[公式]
[三人目]「乃木坂スター誕生!」などのアイドルバラエティ番組を数多く手掛ける名プロデューサー、毛利忍さん。https://www.ntv.co.jp/nogistar/
[四人目]GLAYやハロー!プロジェクトなどのアーティストのMVを多く手掛ける映像ディレクター兼演出家の森田亮さん。森田さんが作成したMV:つばきファクトリー『今夜だけ浮かれたかった』(Camellia Factory[Only for tonight, I wanted to be playful])(Promotion Edit)
Prismileに聞いた!注目のライバルチーム
ここからは、密着取材中にPrismileメンバーがライバル視していると語った2つのチームを紹介する。
1つ目のチームは、
慶應義塾大学 さよならモラトリアム
今大会の関東予選一日目を審査員票・観客票ともに1位通過した実力派チーム。「私たちが描く、最高の夏の物語を。」をコンセプトに挑んだ今大会。セットリストには、以下の3曲がチョイスされた。
1曲目:ボイジャー/私立恵比寿中学
2曲目:トウキョウ・ブラー/Juice=Juice
3曲目:詠み人知らずの青春歌/わーすた
毛色の異なる3曲で挑んださよならモラトリアム。曲を細部までとらえた繊細な表情管理が印象的であった。特に3曲目では、多幸感と儚さが共存する表情で、会場を恍惚とさせた。
多くのPrismileメンバーからライバルとして名前が挙がったもう1つのチームは、
明治大学 chocolat lumière
chocolat lumièreは、昨年の優勝チーム。今年も関東予選2日目をトップで通過している。同日2位で決勝進出を決めたPrismileにとっては、一番のライバルチームといえる。そんなchocolat lumièreが披露したのは、以下の3曲!
1曲目:ディスカバリー!/スタァライト九九組
2曲目:Dead end /櫻坂46
3曲目:Sing Out! /乃木坂46
冒頭からばっちり揃ったラインダンスを披露した彼女たち。センターを際立たせる演出やパントマイム調の振付など、オリジナリティあるダンスで魅せた。
本番直前、緊張感漂う舞台裏。
本番まで残り数十分となったPrismile。楽屋で各々が振りの確認、メイク直しなどを行う中、リーダーのかなえさんの目には早くも涙が浮かんでいた。
同期のみきさんが頬に伝った涙を拭い、優しく言葉をかける。
舞台袖に移動する前に、今大会でUNIDOL Summerへの出場が最後となる6期生の2人からメンバー全員に対しての声掛けが行われた。
はるはるさんは涙ぐみながら
「今日だけは自分が誰よりも一番上手いと思ってやってください。頑張ったっていう想いと辛かったっていう想いは絶対に私は心に留めておきたいの。そのためには結果を残すことが一番だと思うから。私たちは最後だから今まで一番のパフォーマンスをするし、みんなも誰よりも輝く、パーって感じで頑張っていきましょう‼︎」
ちぃまるさんはメンバーを勇気づけるような調子で
「ミスしたときにやばい!って顔をしなければセーフです。マイクを飛ばしたってマイクはある体でやってください。逆に、無くてもあるかのように歌うんです。私は昔それをやらかしたけど1位を取りました。ちょっとのミスだったらどうにでもなるのでとにかく楽しみましょう‼︎」
そしてついに舞台袖へ。他チームのパフォーマンスを見て不安を募らせるメンバーも出てきた。
不安と緊張で気持ちが乱れてしまった9期生のなるさん。同期のまりんさんが抱きしめて励ましていた。約2ヶ月間、今大会のために切磋琢磨してきた同期だからこその絆が感じられる。
本番直前。声が出せない中、メンバー同士で士気を高めようと、順番に互いの背中を叩き始めた。練習をともにしてきた仲間、嬉しいことも辛いことも分かち合ってきた友達としての両面が表れていた場面だった。
夏の集大成、Prismileの魅せる物語
いよいよ、Prismileが舞台に上がった。
1曲目は、願い事の持ち腐れ/AKB48。
“操り人形”が踊っているというコンセプトのもと、ステージ全体で対称的かつきっちりと揃った動きを見せてくれた。また、この曲では大きな白いドレスの衣装が目を引いた。ターンや移動のたびに大きく広がるドレスはとても存在感があり、広いステージ上を覆いつくした。
2曲目は、シンクロニシティ/乃木坂46。
センターを務めるのは8期生のりょうさん。
この曲は非常に繊細な表現を必要とし、一瞬一瞬の表情にも拘る必要があるため、我々が密着した練習の中でも一番長い時間をかけていた。曲全体を通して、不安や孤独感、葛藤を抱えながら、そのような感情を少しずつ乗り越えて前に進んでいく少女たちの心が一つ一つの表情を通して見事に演出されていた。
そしていよいよ3曲目、High Jump!!/愛乙女☆DOLL。
前の2曲から一転、ドレスを脱いでマイクを持ち、表情も不安や葛藤を乗り越えた笑顔に変わる、実に“アイドル”らしい曲である。Prismileの熱意、表情、そして会場のボルテージも最高潮に到達し、まさに「もっと宇宙(そら)へハイジャンプ‼︎」していた。
特に熱い思いが込められていたのは、「いつか君と誓い合った 瞬間(とき)を今つかんだよ」という歌詞に合わせた各メンバーの振付である。夢や幸せを誓いあった“君”はファンであり、同期であり、あるいは先輩や後輩でもあるという、それぞれの想いが振付に表れていた。
「幸せの青い鳥」を探しにいくという今回のテーマ。Prismileのステージは、まるで1つの物語のようであった。
幸せとはほど遠いところにいるような1曲目。「幸せ」を求めながら孤独に生きる少女たちの姿がそこにはあった。
2曲目で一人きりの寂しさを抱えて彷徨う彼女たちは出会い、心を通わせる。孤独の先で見つけた希望。
物語のラストを飾る3曲目で舞台は喜びに包まれる。幸せはずっと自分の近くにあった。
熱い歓声に包まれたステージ、ペンライトに照らされた観客の笑顔、そして同じ目標を目指し続ける仲間の存在。
UNIDOLの大舞台でパフォーマンスすることではじめてPrismileの物語は完成したのではないだろうか。彼女たちが「幸せの青い鳥」を見つけると同時に、観客もまたPrismileという名の「幸せの青い鳥」に気付いたのである。
さらに高みへ。次なる課題。
審査員は口を揃えて「今年の決勝大会はレベルが高かった」と言う。どのチームも充分な迫力が出ていて、ダンススキルの差はほとんど無かったとのこと。講評の内容も学生に向けたものというより、プロ向けといって過言でない高水準のものであった。他チームと差をつけるには、「限られた時間の中でセットリスト、衣装、映像に拘っていかに自分たちが伝えたいものを伝えられるかが勝負である」と毛利氏は話す。
フォーメーションについては周辺視野への意識向上が指摘された。審査員講評の際にステージに出ていた6期生のはるはるさんは、強くうなずきながら講評を聞いていた。フォーメーション移動の多かったPrismileには得られるものが多い話だったのではないだろうか。
講評の後は、ついに結果発表。気になるPrismileの順位は……!
第3位 さよならモラトリアム/慶応義塾大学
総合得点:433点
審査員順位:4位
観客票順位(総合):3位
Prismileが注目するライバルチームが早速ランクイン! 考え抜かれたセットリストと、その世界観を的確に伝える豊かな表現力は、見る者の心をしっかりと掴んだ。
準優勝 chocolat lumière/明治大学
総合得点:444点
審査員順位:2位
観客票順位(総合):2位
決勝常連チームのchocolat lumière。今大会でも例にもれず、人数を活かした視線誘導で会場を掌握し準優勝に輝いた。深紅から純白のドレスへの衣装チェンジも効果的で、ベストドレッサー賞も獲得した。
優勝 夏目坂46/早稲田大学
総合得点:457点
審査員順位:1位
観客票順位(総合):3位
圧倒的な技術力を誇る夏目坂46。今大会では、3曲目に自業自得/櫻坂46をチョイス。激しいダンスでも細部まで揃え、会場のボルテージは最高潮! 王者の座にふさわしい唯一無二のステージであった。
熾烈な争いとなった今大会。Prismileは健闘するも、総合得点は405点。最終順位は9位という結果に終わった。
しかし、その内訳を見てみると驚きの結果が……。
なんと審査員順位は第3位! プロの視点からは確かな評価を受けていたのである。
UNIDOLにひと夏をささげたPrismile。密着取材中、一切の妥協を許さなかった彼女たちのまっすぐな努力は、着実に実を結び始めている。いつかトップに立つその日まで、我々はPrismileの姿を追い続ける。
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