写真で気象解説! マス研員の撮った写真を、國本さんが分析
①幻想的な紫色の夕焼け ~高校時代の帰り道~

夕焼けって、真っ赤なものと紫のもので、上空高い所の水蒸気の量が違うんですよね。水蒸気が多いと、いわゆる普通の赤っぽい夕焼けじゃなくて、ピンクがかったり紫がかったりすることがあります。空気の粒に太陽光が当たって、光が散乱する仕組みによるものです。「夕焼けは晴れ」っていう観天望気があるんですけど、この写真の場合は水蒸気多めの夕焼けなので、翌日はすっきり晴れてないかもしれない(実際、当時の気象データを調べると撮影日の翌日は曇りだった)。
西から低気圧が近づいている場合だと、水蒸気は全体的に多めになりますね。ただそういうときって、西の空に雲があるということなので、夕焼け、つまり西日は綺麗に見えないことが多いですね。秋や冬は空気が乾燥している時期なので、赤い夕焼けに出会えることがありますが、春や夏、水蒸気が多い季節には紫色の夕焼けに出会える可能性があります(写真の撮影日は6月)。台風が近づいているときなどにも不穏な空が広がって変わった夕焼けになります。でも綺麗ですね。
②狐の嫁入り ~西早稲田キャンパス近くで信号待ち中の突然の大雨~

空には晴れ間も見えるのに、雨が降ってきたというパターンですね。局地的な雨です。
夏によくある現象で、 雲の大きさでいうと数キロの範囲で降ってるのかな? 少し屋内で休めば通り過ぎていくので、こういう時はちょっと休憩して、去っていくのを気長に待つのがいいかもしれないですね。 雨のシーズンが始まる5月くらいから、台風の来る9~10月くらいまでは、こういう気まぐれな天気に出会えると思います。
③横に長~い雲 ~班員みんなで見上げた幕張の空~

この雲自体はすごく珍しいわけではないけど、高いところの雲と下層の雲が2層になってますよね。ボコボコしてる(オレンジの丸)のが積乱雲。
この中に3種類ぐらい雲があるのかな。層状の雲と積雲系の雲と下層の雲、この下の雲がかなり大きくて。局地的な雲じゃなくて、もっと広い範囲で空全体を見たときに、どこかで風と風がぶつかって、そこにでき続けている雲なんです。だから、上側の空(緑の丸)は自分の頭の上の雲につながっていると思うんですけど、こっち側の雲(青の丸)はだいぶ遠くにある雲。層の高さとしては中層から下層ぐらいなのかな。ここは多分、海からの風と別方向からの風がどこかでぶつかって、遠くに大規模な雲ができています。積乱雲もその雲の後ろにあるはずです。
(撮影日は)今年の5月25日の昼ですよね。13、14時ぐらいで……風はこんな感じ?(当時の風向きの図を見ながら)南寄りの風ですね。房総半島にかかっているのが、多分ここの雲(緑の丸)ですね。手前にのっぺりした雲(青の丸)があって、その奥に積乱雲があって、上空には別の雲も広がっている。
④上下に広がる光の柱 ~思わず見とれた神秘の光~
【上】

【下】

どちらも薄明光線(※)というものですね。(上の写真は)ビルからパワーが出てる感じなのが面白いですね。(下の写真は)天使のはしごとも呼ばれます。『フランダースの犬』のラストみたいな(笑)。規模が小さい薄明光線はよくあるものですが、ここまで綺麗に見える薄明光線(上の写真)はけっこう珍しいです!
※薄明光線:雲間から差し込む太陽光が光の筋のように見える現象で、大気中の塵や水蒸気で光が散乱して生じる。
⑤太陽を囲む虹……? ~何気ない、いつもの空~

これはハロという、よくあるものなんですよ。日暈(ひがさ)とも言うんですけど、太陽の周りに暈がかかる。これが見えると天気が下り坂、という観天望気がありますね。これは割と当たります。
低気圧が西の方にあって、その上空の雲が薄く伸びているときにできやすいです。でも、雲が全くないとできないんですよ。この薄い雲があるときにこそ光の環っかが見えます。薄い雲が広がっているのは天気が下り坂になるサインなので、雨が近いです。ハロが出ていても太陽の周りって眩しくて見上げない人が多いので、気づかない人も多いんですよね。
國本未華さん、ありがとうございました!
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