1967年創立 早稲田で一番アツい出版サークル マスコミ研究会! 企画・取材・デザイン・文芸、好きな分科会で自由に活動しよう!

さんぽ神の言うとおり

さんぽ神
お散歩をしよう!
気軽にできて、身体も心も健康に導くおさんぽ。
いつもの道から一歩外れて、日々のあれこれを忘れてみませんか?
この企画ではおさんぽを楽しむコツや面白いおさんぽスポットについてご紹介。たまにはあてもなく散歩して、無意味で面白い発見に心を踊らせる日があったっていいのです。

 

今回、おさんぽにまつわるお告げを出してくれるアイテム、“ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神”を使って見知らぬ街を歩いてみました。神に導かれるままに歩いてみれば、思いがけない出会いがあるかも……!

“ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神”とは?

「さんぽ神」は株式会社ドロッセルマイヤー商會のカードゲーム。「どこで」「なにをする」というカードをパラパラめくることで出てくる神のお告げ(44✕44通り!)があなたの散歩を導いてくれる。近所の街を一人でふらつく時、見知らぬ街をみんなで探検する時、そんな時にぜひお散歩のお供に……!

ドロッセルマイヤーズ公式サイト

 


いざ実践

五月晴れの朝、午前10時。
おさんぽマスターとなるべく、8人のマス研員が武蔵境駅に集結した。

 

さっそく取り出したのはこれ。「ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神」。
好きなページを選び、「どこで」「なにをする」かのお告げをさんぽ神から受けることができるのだ。今日はさんぽ神のお告げに従って1日歩いてみよう。

 

ウキウキで初めてのお告げを引いてみる。
注目の1個目のお告げは……

『色の入っている地名で 普段聞かない音楽を聴こう』

初めてのお告げに盛り上がる企画員たち。早速地図アプリで探すと近くに「市立第2しろがね公園」を発見。「白」だ! 行き先が決まり、歩いて公園に向かう。

 

歩いて10分。到着した公園ではおじいちゃんたちがゲートボールを、向かいの小学校では運動会が行われており、何だかにぎやかな初夏の雰囲気が。

昼下がりの公園に到着

お告げでは「普段聞かない音楽を聴く」ということで、外国の民謡を聞いてみることに。Spotifyの民謡プレイリストから目をつぶって選んだものを流してみる。
流麗な調べが、公園に響き渡る。

調べると、モンゴルの民謡「Herlengiin Barya」だった。

未だかつて耳にしたことのないエキゾチックなサウンドが、昼前の小さな公園に響く。これはさすがに聴いたことがない。広大な大地に思いをはせて、一つ目のお題クリア。

 

童心に帰り、しばしブランコを楽しむマス研員。


二つ目のお告げ

続いてのお告げは……

『自分は場違いかも? と感じる場所でやたらと怖がってみよう』

早速調べてみると公園から5分ほどのところに「境浄水場」が……! 大学生と浄水場。普段行くはずもなく、まさしく場違いだろう。さっそく全員で向かう。

かなり年季の入った浄水場に到着。
お題には『やたらと怖がってみよう』とあるが……。

 

「なんかみんなで怖い動画でも見る?」

ホラー耐性がない企画員が多かったため、「怖くて有名なCM集」を見てみることに。

浄水場の真横で、真昼間から怖い動画を見るという光景は非常にシュールだ。

しかし、明るい中で見るからか、思ったほど動画は怖くない

「え、どうしよ…」

困った。このままでは終われない。面白い記事にするためには、やたらと怖がっているみんなの写真を取らなくてはならないのだ。

 

「M(マス研員)、ちょっと怖がってる顔作ってみ」

無茶な要求に応えて、盛大に怖がってる顔を作る企画員。


「ぎゃー!!!!!!!」

その表情にカメラを向けて、パシャリ。

「おっ、いいね!」

とりあえず「盛大に怖がった」ことにはなるだろう。

 

三つ目のお告げ

ここまでのお題はだいぶ簡単だった。さあ、次のお題は…?

『オシャレな街で、公園を見つけるごとにラジオ体操をしてみよう』

ここにきて大学生の羞恥心を刺激するお題に数人の企画員が絶妙な顔。出たからにはやるしかない!と前のめりな企画長に渋々着いて行った。

 

武蔵境駅から近いこともあり、まずは万人が認めるオシャレな街、吉祥寺へ向かう。

なんとも軽いノリの理髪店を発見

 

お告げでは「公園を見つけるごとに」とあるので、公園を発見してしまった時点で強制的にラジオ体操スタートになってしまうが……。

 

公園見つかるな! と思いつつ駅の方へ。
しかし、さんぽ神に願いは通じず、アットホームな雰囲気の公園を発見してしまう。

サッカーボールを追いかける少年たちや、よちよち歩きの男の子と一緒にベンチで休んでいるお父さん。休日に近所の子供たちが遊ぶのにちょうどいい、隠れ家的な公園だ。

そんな場所で大学生が突如ラジオ体操を始める場違い感はとんでもない。「公園で集団ラジオ体操」って、言うのは簡単だけど思ったよりハードルが高いのだ。

いくら嘆けどさんぽ神には逆らえない。

 

カメラ係の座をめぐってしばし醜いじゃんけん争いが繰り広げられた後、せめて公園で遊ぶ子供たちに背を向け、ラジオ体操を始める。

序盤は恥ずかしさのために動きもややぎこちなかったが、慣れるとだんだん楽しくなってくる。
結果、全員で力いっぱいラジオ体操をやりきった。

 

(ちなみに、カメラ係を勝ち取ったマス研員は、ラジオ体操の間中、ベンチの男の子が興味津々の目でじーっとこっちを見ているのをひしひしと感じていたそう……。)

 

吉祥寺上陸

さて、いざ電車に乗って、吉祥寺へ! と思ったその時。

「……ね、あれって『公園』だと思う……?」

一人のマス研員が指さす方向には、ベンチが並んだ開放的な空間が。これは公園と言えるのか審議だ。

「……いや、これは公園じゃない。そういうことにしておこう。」

二人しか気づかなかったことをいいことに、強引な定義付けで「武蔵境駅前で突如ラジオ体操を始める学生集団」になるイベントを回避。

 

そんなこんなで、吉祥寺に到着
オシャレを具現化したような街、吉祥寺の公園と言えば、ここしかないだろう。

そう、井の頭公園

昼食をとる間、「せっかく吉祥寺に来たなら井の頭公園行きたいよね!」と盛り上がっていたのだ。
忘れていやしないか、君たちはそこにラジオ体操をしに行くんだよ。

一つ目の公園で自信をつけたマス研員たちは、無謀にも休日の井の頭公園でのラジオ体操を目指す。

しかし人が多い。

東京ドーム9個分の大きさを誇る井の頭恩賜公園は、休日になればもはや小規模なテーマパークだ。いくら自信がついたとはいえど、こんな場所でラジオ体操はできない。必死に人のいないところを探す。

 

すると、まさに「ここでラジオ体操をしてください」と言わんばかりのスペースが! 目の前に緑の木々が広がり、下の広場が見渡せる、眺めのいいスポットだ。

人通りは少しあるものの、これ以上の適所はない! 初夏の新緑をバックに、意気揚々とラジオ体操をかました。

ここまで来ればもはや羞恥心はない。プライドという殻を破って一回り成長したところで、三つ目のお告げクリア。

 

四つ目のお告げ

あっという間に最後のお題!

お告げは『友達にオススメされた場所でひさしぶりのことをしてみよう』だ。

早速マス研員のマス研員の友達に電話をしてオススメを聞くことになった。オススメ次第ではとんでもない距離を歩かされるが……。

 

井の頭公園にいると伝え、半ば強制的に近くの三鷹の森ジブリ美術館の名前を聞き出すことに成功。
というわけで次の目的地は三鷹の森ジブリ美術館だ。

井の頭公園には大きな池があり、青空の下カモやスワンボートが涼しげに水面を横切ってゆく。賑やかな公園の景色を見つつ、おさんぽを楽しむマス研員一行。
そうこうしているうちに、目的地に到着した。

 

 

入ってすぐにラピュタのロボット兵がお出迎え。
美術館横の広場では駆け回る子供達や、バイオリンを演奏するご老人が思い思いの午後を過ごしていた。雰囲気も相まって一気にジブリ作品の中に入り込んだような気分に!

 

お告げに従い、近くの広場でまずはシャボン玉をすることになった。マス研員一同久しぶりのシャボン玉に思わず口角が上がる。

大量のシャボン玉が風に乗って流されると、それに気がついたちびっこたちが集まってきた。ほのぼのとした気分で一緒に遊ぶ。

 

しゃぼん玉の次にしたのがこのチカバルーンだ。穴の開いた細い棒に専用のノリをつけふくらますのだが,これが意外にも難しく悪戦苦闘。そんな中、難なく膨らませて大きくまあるいバルーンを作り上げる猛者が!

マス研員の新たな一面を知れたところで今回のおさんぽは終了

 


おさんぽの神によるきまぐれで進められた今回の散歩。実際にやってみると、公園でラジオ体操をする、場違いだと感じる場所に行くなど、自分からはやらないようなお題が次々に飛び出した。
ちょっと変わったお散歩は、なんでもない街の風景を、いつもとは違う刺激的な舞台に変えてくれた
最近わくわくしてないな、と思っているそこのあなた。たまにはこんなおさんぽをしてみてはどうだろうか。

 

もっとおさんぽについて知りたくなった方は、ワセキチvol.46をチェック!

誌面はこちら