ふつうの大学生が、憧れのアイドルと同じステージへ。それが、女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦――UNIDOL。その頂点を目指す彼女たちの熱意はダンスの枠を超え、驚くことに衣装にまで注がれています。デザインから布選び、縫製まですべて自分たちで手掛け、生み出される“かわいい”。衣装制作に並々ならぬ愛を込めるアイドルコピーダンスチームに、こだわりの詰まったイチオシの衣装と秘密の舞台裏を見せてもらいました。
UNIDOLとは?
2012年に第1回大会が開催されて以降、NHKホール・Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)・Zepp DiverCity(TOKYO)など、数々の大型会場を舞台に大会を重ねてきた。審査ではダンスの完成度に加え、衣装や構成・ステージ演出・表現力や個性なども総合的に評価され、毎大会各業界の著名人が審査員として参加している。各チームがアイドルへのリスペクトと個性を掛け合わせたパフォーマンスを披露し、毎大会レベルの高いステージが繰り広げられている。
大会の最新情報や開催告知は、UNIDOL実行委員会公式X(@UNIDOL_EXCO)で随時発信されている。さらに、運営を担うUNIDOL実行委員会の母体組織「学生団体UNIEVENTS」では新規実行委員の募集も行っており、様々なイベントを運営している。詳細は新歓アカウント(X:@ue_shinkan Instagram:@ue_shinkan)を確認してほしい。
さらに姉妹大会として、「大学対抗K-POPカバーダンス日本一決定戦」《UNIKP》や、高校生を対象とした「高校対抗女子高生アイドルコピーダンス決定戦」《Highdol》なども開催。各大会の詳細は、公式SNSを通じて発信されている。



🎀インタビュー本編
今回お話を伺ったのは、明治大学chocolat lumièreから7期生つむぎさん(左)と6期生りおさん(右)。持ってきてくださった衣装は「UNIDOL 2024-25 Winter 関東予選」の衣装です。

——はじめに、衣装の制作を始めてから完成するまでの工程を聞かせてください。
りお:本番10日前くらいに、当日に着用する衣装を着てその大会でのコンセプトを伝えるキービジュアルの撮影日があります。制作はセトリが決まった段階で開始するので、セトリ決定から撮影日まで1か月ぐらい。
つむぎ:セトリが決まってからデザインを考え始めるので、実際に衣装を形にするのは結構締め切り直前。デザインや布を買いに行くのにめちゃくちゃ時間がかかります。

――衣装のデザインは何をもとに考えるんですか?
つむぎ:セトリですね。3曲とも全く違うアイドルグループの曲を使っているので、全体を通してコンセプトに合った衣装になるようにしています。軸となる1曲を決めて、その曲のCDジャケットやMVの衣装に寄せる場合もあれば、3曲ともにこの色が合いそうだよね、という発想で考えるときもあります。
りお:普段からアイドルを見て、大会で使えそうなデザインや配色を探すようにしています。
――制作費用はどのくらいかかるんですか?
つむぎ:衣装替えの有無にもよりますが、平均すると1万円弱はしますね。こだわっている箇所も多いので。あと、布って今本当に高いんですよ。既製品を買って装飾をつける方が安くできるのは分かっているんですけど、結局つくるのが楽しいので毎回自分たちでつくっています。
――自分たちの手で衣装を制作することにこだわる理由は何ですか?
つむぎ:しょこるみは衣装を布からつくることを昔からモットーにしています。特に衣装づくりに力を入れて頑張ってくれた先輩たちが代々いるんですよ。自分たちも、新歓でしょこるみは大会に合わせて衣装を1からつくっているという話を聞いて感銘を受けたので、私たちもそれを続けていけたらいいなと思います。

:制作中の衣装をトルソーに着せている様子。
――衣装係は何人いるんですか?
りお:大体、各期に1人ですね。
つむぎ:しょこるみって結構人数が少なくて。りお先輩のいる6期は6人、今2年生の私の代は4人しか入っていないんです。その中で各1人が衣装係をしています。アイドルコピーダンスのチームでは、自分の衣装は各自でつくることが多いんですけど、私たちみたいに2人くらいで全員分をつくるところは結構特殊だと思います。
――衣装係が学年に1人いるということですが、学年を超えた助け合いは多いんですか?
つむぎ:縦、仲良いです! 同期よりも衣装に関する相談もしやすいので。今年入ってくれた子も含めて今は衣装係が全体で3人いるのですが、アイドルのライブを見に行ったり、そこで「この衣装いいよね」と話したりもしています。

――chocolat lumièreで衣装をつくる前、裁縫の経験はありましたか?
りお:OGの先輩も含めて、ほとんど全員入ってから独学で。ミシンに全く触れたことがなかった子も多いんじゃないかな。
りお:ミシンが家にない子もよくいますよ。
――家になくてもできるんですね。
りお:布を切ってもらう作業などを分担でやってもらいます。でも係になった子はみんなやる気があるので、元々ミシンが家にあっても買い替える子が多いですね。家庭用ミシンだと対応できない場合も結構あるので、最新型を買う子も多いかな。
つむぎ:はまっちゃいますね(笑)。裁縫が趣味みたいな感じになっていくので。

:ミシンで作業している様子。
――特に制作が大変だった衣装はありますか?
りお:つむぎちゃんが入ってきた年(2024年)ですかね。基本、夏大会は新入生に係を任せないようにしているので、その時は私しか衣装係がいませんでした。それで、13人分の予選と決勝の衣装を1人でつくることになったんです。決勝の練習は夏休みにあるのですが、 朝から夜までの練習が週5、6回ある中で寝る時間を削ってつくるしかなかったので、過酷でしたね。でも、ちょうどその大会でベストドレッサー賞を頂きました!
【UNIDOL24夏決勝】[準優勝]明治大学・ chocolat lumière【Choreography】
――今までの大会で、曲のイメージを衣装へうまく取り入れられたと感じたのはいつですか?
つむぎ:それこそ、ベストドレッサー賞を取った24年夏決勝の衣装ですかね。「ディスカバリー!」(スタァライト九九組)のパレードのモチーフや「Dead end」(櫻坂46)のかっこよさを表現した赤い衣装が、「Sing Out!」(乃木坂46)で真っ白なロングスカートに変わる演出があって。後から動画で見ても効果的な衣装替えだったなと思うし、それがきっとベストドレッサー賞につながったんだなとも思っています。私のいちばん好きな衣装ですね。
りお:その大会のパフォーマンスを見て、「衣装を着てみたい」と入ってくれた後輩も結構多くて。出場した私たちにとっても、これから入ってくれる後輩にとっても、思い出に残る大会になったんじゃないかなと思っています。

――メンバーごとに異なる衣装を制作するときは、どのようにデザインを差別化しているのですか?
つむぎ:しょこるみは1つの大会で基本的に3曲披露するのですが、それぞれの曲で「フロント」と呼ばれる最前列のメンバーを変えて、必ず1曲は各個人が目立つ曲ができるようにしています。例えば 、1曲目はよくアニメ系の楽曲を使うのですが、その場合には、曲や担当しているパートの本家の子の衣装とか、メンバーの体型や骨格を参考にしています。
――衣装を工夫する中で、アクセサリーや帽子のような小物はどのように選んでいますか?
りお:MVを参考に、それぞれのメンバーが担当する歌割りの子に合わせています。自分がやりたい髪型やアクセサリーをやるのではなく、その大会で自分が求められているキャラクター像に合った雰囲気が出せるように工夫している子が多いですね。
――衣装替え後の衣装デザインに関して、意識していることはありますか?
りお:他のチームは、統一感のあるミニスカートから、多幸感あふれるメンカラにチェンジすることが多いと思うんです。私たちの場合、少人数で出る大会ではフロントによってデザインを変えるのですが、決勝のように大人数で出る大会は、統一感が出るように全員で同じデザインにすることが多いです。特にミニスカートからロングスカートへのチェンジは、他のチームはそこまでやっていないかなと思います。
――早着替えの練習もしますか?
りお:タイムを測ったり、スカートを置く場所まで決めて練習しますね。
つむぎ:舞台は暗いので、同じデザインだとどれが誰の衣装か分からなくなっちゃうことが多いんです。
――持ってきてくださった「UNIDOL 2024-25 Winter 関東予選」の衣装のこだわりポイントを教えてください。
りお:この衣装は、つくっていた私たちも、当時着ていたメンバーもいちばん好きな衣装なんじゃないかなと思っています。7人出場する中で2人も衣装係がいる大会だったので、気合を入れてつくりました。
つむぎ:日暮里の色んな店を巡って、苦労した末に「絶対に使いたいね」と話していた布に出会えたのが特に思い出深かったです! また、少人数で出た大会だったので、1人ひとりデザインが違う衣装になっています。

――結構形が違いますね。
つむぎ:そうなんです。それぞれのシルエットが全く違って見えるように意識してデザインしました。6期の先輩はロング丈で斜めになっている衣装で、7期はミニ丈で3段になっている衣装。スカートに関してはそこで差別化していました。トップスは3パターンあるんです。1曲目のフロントのメンバーは襟付きパフスリーブで、スカートと合わせてフリフリで可愛らしい感じ。2曲目のフロントのメンバーは、パフスリーブだけどちょっと暗めな感じ。3曲目フロントを務めた6期の先輩たちは肩が出ているデザインで、大人っぽい感じで仕上げました。

――トップスは曲の雰囲気に合わせて決めているんですか?
りお:そうですね。3曲目は6期生が全員フロントだったのですが、本家のPalette Paradeさんの衣装も参考にしています。曲の雰囲気に合うように、ちょっとアシンメトリーで後ろが長いデザインを選びました。
Palette Parade/domino(Official Live Video)
――小物も自分たちで制作しているんですか?
つむぎ:私たちはつくることが多いですね。この帽子は自分で硬質ケースを型取ってつくったので、後ろの部分がもうボロボロなんですよ(笑)。手探りでつくったんですけど、好きと言ってくれる人も多くて結構お気に入りです。

――最後に、chocolat lumièreさんの衣装のコンセプトを教えてください。
りお:コンセプトとしては、高級感を代々大事にしています。だからメンバーカラーの衣装というよりは金とか銀で統一された衣装が多いですね。他チームとの差別化もできているし、そこに憧れてチームに入ってきてくれる子もいるので、ずっと続いていってほしいです!
――ありがとうございました。
🍫明治大学chocolat lumière

私たちが大切にしている高貴で可憐な世界観は、まるで物語の世界に足を踏み入れたかのような雰囲気を演出します。現在は10名のメンバーで、大学や学年の垣根を越えて活動しています。
X: @chocolumi_
Instagram: @chocolatlumiere