少年院経験者同士が互いに支え合い、成長し合えるような関係を築いています。
今回は、セカンドチャンス!代表の方にお話を伺いました。
セカンドチャンス!の創設経緯を教えてください。
少年院を出たあとに通った、夜間大学の犯罪社会学の先生が、自分が入っていた少年院の法務教官だったんです。先生が研究で北欧に行ったときに、刑務所出身者が同じ境遇の人を支えている「KRIS」という団体に出会って、日本でも必要になると感じたらしくて。
帰国後に自分に「日本でも同じような活動を一緒にしないか」って連絡をくれたんです。自分もKRISの話に感銘を受けて、一緒にやりましょうっていうことで始まった団体です。
普段の活動内容を教えてください。
普段の活動は、主に大きく2つあります。1つは地域でやる交流会活動です。定期的に場所を決めて集まって、食事をしながら少年院出院者同士が情報交換をしたり、困った子がいれば、一緒に解決案を考えたりとかしてます。1ヶ月ごとに開催して、次の交流会で会おうってハグして別れるような、ゆるい食事会です。
もう1つは少年院でのメッセージ活動です。OBとして人数分のお菓子を持って少年院に行って、「少年院を出た後にこういうことがあるよ」って伝えたりして応援します。セカンドチャンス!は、それぞれみんな仕事をしていて、バラバラに住んでて仲間とたまに集まるっていう、サークルみたいな感じだと思います。
少年院を出てから大変だったことはありますか。
一言で言うと、「孤独」が一番辛かったです。少年院にいたときは、地元の仲間と縁を切ってやり直そうと決心できたんですよ。でも、いざ少年院を出たら中と外のギャップがすごくて。自分の存在がなくなってるというか、孤立してる気がして。
結局、少年院を出た当日に「俺、出てきたんだよ」って地元の仲間のところに行ってしまって。自由が手に入ったときに、遅れてるこの一年数ヶ月を取り戻したいという思いに駆られてしまって。地元を変えてやりなおそうと思ったんですけど、新しい友達もできないし、仕事もそんな簡単に見つからないし、何もうまくいかなくて。で、結局繁華街をふらふらするようになってしまって。
少年院の中で、これを区切りに生き方を変えようと思っても、出た途端に孤独になって元に戻ってしまう期間は必ずあるんじゃないかなと思っています。
孤独は現代を生きる人々全体が抱える問題でもあると思いますが、孤独との向き合い方についてアドバイスをいただけないでしょうか。
人に必要とされるっていうのが鍵になるんじゃないかなと思いますね。自分は孤独と孤立によって崩れた時期があって、そのときどうやって立ち直ったのかを思い返してみると、やっぱり誰かから必要とされるっていう「人との出会い」で孤独を埋めていけたと思います。
自分が最悪な生き方に戻ってしまっていたときに「仕事手伝ってくれないか」って声をかけてもらって、それがすごく嬉しくて。生まれて初めて頼られてるって思えて、初めて仕事が続いたんです。
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