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アサヒビール株式会社に聞く「人とお酒のイイ関係」【『ワセキチ』Vol.42記事公開】

ワセキチお酒入門

『ワセキチ』Vol.42が11月5日に発行されて、早くも1週間が経ちました!

今回は『ワセキチ』Vol.42の中から「ワセキチお酒入門」企画の一部をご紹介します。

アサヒビール株式会社に聞く「人とお酒のイイ関係」

「お酒に強い」って大学生のステータスになりがち。でも考えてみてほしい、本当にかっこいいのか?
「弱くても強くても楽しんで飲めばいいのに」20歳になりたてだった企画員Tは、飲み会でつぶれる同期を横目に思ったものである……。

では、初めて飲む諸君はどのようにお酒と付き合っていけばいいのか。そこで「スマートドリンキング」という言葉をお届けしたい。「自分の体質や気分、シーンに合わせて適切なお酒やノンアルコールドリンクをスマートに選んで飲む」のことだ。これを提案しているアサヒビール株式会社に「大学生のお酒の適量」と「お酒を初めて飲む人はどのように飲んだらいいか」について話を伺った!

 

(左から)縣 祐一(あがた・ゆういち)さん、片岡 亮(かたおか・りょう)さん

 

お酒を楽しく飲める適量について知りたいという声を大学生から多く聞きました。そのような適量について、どのようなことを知ればいいでしょうか。

これから話す内容は、医師から聞いたことをお伝えする形になることをご理解いただけると幸いです。本来はアルコールについて研究している方に聞くのがいいと思います。

まず、 “酔う”メカニズムを知ることが大切です。
“酔う”とは、血中に溶け込んだアルコールが脳に作用して麻痺することです。
脳は外側の理性をつかさどる大脳新皮質から麻痺していくので、抑えられていた本能や感情をつかさどる大脳辺縁系の活動が活発になります。すると緊張が解けていき、普段話しにくいことも話せたりするようになります。この状態から先に進まないようにコントロールできることが、お酒を楽しむための秘訣です。
さらに酔いが進み小脳まで麻痺がおよぶと、運動失調(ちどり足)状態になり、海馬(記憶中枢)まで麻痺が進むと、今やっていることや起きていることを記憶できないブラックアウト状態になります。最後に、脳全体が麻痺すると呼吸中枢(延髄)も危ない状態となり、生命に関わる危険性があります。
心肺停止にいたることもありますから、メカニズムを知りながら上手にお酒を飲むことが大事ですね。

そしてお酒の適量は人によって違います。
自分の体質を自分自身で知ることが大切です。
お酒が飲める体質、飲めない体質は遺伝によって決まるので両親の体質を聞いたり、アルコールパッチテスト等で知ったりすることができます。
パッチテストなどでお酒が飲めない体質だと分かったら、飲まないようにしてください。

アルコール度数を気にして飲んでいる人は多いと思いますが、一杯にどれだけ純アルコールが含まれているかを確認することで、自分の適量をコントロールしやすくなるので推奨しています。

 

 

お酒を初めて飲むのに適した環境はありますか。

最初は、家族など信頼の持てる人と、嗜む程度にお酒を飲むのがいいでしょう。
家で飲む場合、お酒のパッケージに純アルコール量や度数が明記されているものが多いので、摂取した純アルコール量がどれくらいだったか確認できますよね。いきなり外で飲むよりはいいと思います。

 

 

激しいスポーツの前後はお酒を飲んではいけないと聞いたことがあります。他に、お酒を飲んではいけない状況はありますか。

激しいスポーツの前後の飲酒はたしかに危ないです。
他には、少しでもお酒を飲んだら車の運転は絶対にダメです。
また、泥酔したあとにお風呂に入るのも危険です。血圧が乱高下することで意識を失い溺れてしまうこともあります。

 

 

初心者にすすめられるお酒や飲み方はありますか。

まずはアルコール度数の低いお酒で食事をしながら、ゆっくりと飲むことをおすすめします。
その後、少しずつ度数の高いお酒を試すときも、ゆっくりと飲むことを心掛けてください。
また、どれくらいで自分が酔うかも把握しておきましょう。
例えばチューハイやカクテルは、3%程度のものから9%とアルコール度数の高いものまでありますよね。まずは3~4%のものを、問題ないようであれば5~6%のものを選ぶといいでしょう。
外で飲むなら、いきなり度数の高いお酒を飲むのではなく、まずはサワーなどから始めることをおすすめします。また、お酒を選ぶときは、揚げものに合うお酒、お肉に合うお酒…… と、食事との相性も考えながら選ぶのもいいですよ。

 

 

これからお酒を飲む大学生に、どのようにお酒を飲んでほしいですか。

東京消防庁によると、急性アルコール中毒で搬送されている人は増え続けているんです。「若者の酒離れ」と言われていますが、搬送される人の半数近くを20代・20代未満が占めています。
若い人はお酒の危険な飲み方について十分な知識が無いまま飲んでしまうので、このようなケースが多くなるのだと思います。やはり、知識を持って飲むのが大切です。
お酒の適量に関して、純アルコール量という考え方は昔からありましたが、最近になって各メーカーがWEBサイトや商品パッケージに表示したり、国は新たな飲酒ガイドラインの作成をはじめたりと消費者へ広く伝えようとする動きになっています。純アルコール量という言葉がみなさんに定着したら、お酒の適量についての考えが変わってくるのかなと思います。

 

 

お酒を販売する飲料メーカーが、飲酒の楽しさと危険性を同時に伝えることについてどのように考えていますか。

お酒を飲むことは、5000年以上続いている文化です。人と人の距離を縮めたり、リラックスした状況でアイデアを思いついたりするなど、お酒は人生を豊かにする嗜好品であると考えています。
一方で、飲酒による健康被害があるのも事実です。メーカーとしては、商品をたくさん買っていただけるのは嬉しいことです。しかし、飲みすぎによって健康を損なうことは、全く望んでいません。

みなさんにお酒の楽しさを人生の長い間を通して享受してもらうためにも、飲酒による危険性もしっかり把握してもらいながら、楽しく飲んでいただくことが必要なのかなと思います。

 

 

最近、ノンアルコールドリンクや微アルコールドリンクを出すような「SUMADORI-BAR SHIBUYA」がオープンしましたよね。
様々な人に楽しくお酒を飲んでほしいという気持ちがあって、出店されるのでしょうか。

アルコールが飲めない・飲みたくない方も一緒に楽しめる社会を創ろうという試みの拠点が「SUMADORI-BAR SHIBUYA」です。
お酒がある程度飲める人は、外出先でアルコール度数が分からなくてもお酒を注文できますよね。一方で、アルコールに強くない人は、度数が分からないから注文を躊躇ってしまう人もいると思います。また、みんなで集まることは好きだけど、自分がお酒を飲むのはちょっと……という方もいらっしゃいます。
そういう“飲めない人”や“飲まない人”たちの意見を尊重しつつ、その場で一緒に楽しめる世の中を創っていきたいという拠点として開店しました。アサヒビールが掲げる“スマートドリンキング”の想いはそこにあります。

 

あとがき

アサヒでは、特別サイト「人とお酒のイイ関係」にて、消費者が適度にお酒を飲むための喚起を行っています。また、お酒を飲む人・飲まない人も一緒にお酒の場を楽しんでほしいというコンセプトから、「SUMADORI-BAR SHIBUYA」が新たにオープンしました。お酒に対する得意・不得意を気にせずに楽しく飲める場ができることで、みんなにとって酒がもっと身近になるといいですね。

 

特別サイト「人とお酒のイイ関係」「SUMADORI-BAR-SHIBUYA」はこちらから!

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