1967年創立 早稲田で一番アツい出版サークル マスコミ研究会! 企画・取材・デザイン・文芸、好きな分科会で自由に活動しよう!

高円寺のシンボル、小杉湯を盛り上げる! BUKUBUKUって一体何者?

高円寺 小杉湯 学生企画チームBUKUBUKU

高円寺のシンボル、小杉湯を盛り上げる!
BUKUBUKUって一体何者?【3期編】

 

続いて、5月から活動をスタートさせたBUKUBUKU3期生。これからの活動に期待を滲ませる彼らに、BUKUBUKUとの出会いと今後の展望について対談形式で伺った。


――
1つ目のテーマです。BUKUBUKUに入ろうと思った理由、きっかけを教えてください。

りん:もともと私は社会保障関係とか日本の政治とか、そういう大きなものに高校生くらいから興味を持って色々やってきたんですけど、 もうちょっと違う視点で勉強したいなって思っていたんです。大学2年生のときに、人々の生活のささやかな幸せみたいなものを支えている仕組みに興味を持っていたタイミングがあったので、 銭湯で1年間働いてみたいなと思って休学しています。

それまでは、広告やコピーライティングに関わる仕事をしていたんですけど、小杉湯はクリエイティブで広告もSNSもすごくて。でもそれに負けないぐらい建物から感じる愛と信頼の香りがあって。その整合性が取れているところに感動して、ここで働きたいと思いました。

 

太陽:僕はもともと小杉湯に通っていたら、「BUKUBUKU興味あるんですか」って番頭さんに聞かれて。 なかったんだけど、「あります」って言って、その場で応募しました。やりたいことというより、漠然とした問題意識があったんです。働いていた児童館の近くに障害者施設があって、イベントで障害を持っている方と関わった時に色々考えたことがあって。その福祉の分野以外にも人間関係などの部分で学べることがあるんじゃないかなと思って入りました。

 

こうすけ:僕は2週間に1回くらい来るようなライトな小杉湯ファンで、BUKUBUKUについても、2期生を募集していたのを見ていたんです。でも、そのときは研究や学校が忙しくて応募を諦めました。就活が終わったタイミングで時間に余裕ができたので、1年間だけという活動期間も自分に合っていると思って応募しました。

入った理由は、他のコミュニティの人と接する機会が欲しかったからです。BUKUBUKUに入ればメンバーだけじゃなくて、小杉湯で活動をしているたくさんの大人たちとも関わりを持てるかもって思いました。

 

ひろき:俺の場合は、もともと大学の修士2年の研究で、中野、高円寺、阿佐ヶ谷あたりを対象に建築の再開発問題に取り組んでいたんです。高円寺に住んでいて小杉湯にも来ていたんですけど、研究を進めるうえでも高円寺の友達など、高円寺にもっと詳しい人と関われたら色々な方向性からアプローチできるんじゃないかと思ってBUKUBUKUに入りました。

 

ゆーみん:私はひろきくんと真逆で、大学でやっていることとは関係ないんだよね。学んでいる領域は好きだけど、その領域で仕事をやっていくのはあまり現実的じゃないと考えて。だから別の道を考える時間が必要だなと思って、今年の4月から1年間休学しています。

小杉湯には2年前くらいから来ていたんだけど、脱衣所で張り紙を見てその場で応募したのがきっかけかな。BUKUBUKUに応募した理由は色々あるんだけど、1番は「文化と伝統」というところに興味があったからです。今までは銭湯を歴史がある「伝統」の方に分類していたけれど、「伝統じゃなくて文化にしていくんだ」という話を小杉湯の方に聞いて、すごく素敵だなって思ったんだよね。

 

めい:私はそもそも地元が高円寺・阿佐ヶ谷で、小杉湯にはたまに来ていて、BUKUBUKUの存在も知っていたんだけど、説明会で聞いた小杉湯の『ケの日のハレ』(※)っていう言葉がすごく気に入ったの。私は観光学部なんだけど、定番のガイドブックに載っているような観光じゃなくて、人の日常を感じる観光って素敵だなって思って。そういう日常の部分を残すために色々な新しい取り組みをしている小杉湯に関わりたいと思ってBUKUBUKUに応募しました。

 

かれん:私は本当に小杉湯が純粋に大好きで。高円寺に縁もゆかりもないし遠いけど何回も通ってて。小杉湯のインスタを見てたら、BUKUBUKUの募集を見つけました。好きなものとかワクワクするものを追い求めた結果、今があるっていう感じ。

小杉湯を好きになったのは高校2年生のとき。その頃、結構考えすぎちゃう癖があって、 色々悩んでたりうまくいかないことがめちゃくちゃ重なったりして、精神的にすごくきつくて。でも、たまたま高円寺に来て、お風呂に入りたくなって小杉湯に来てみたら、めちゃくちゃ素敵って思ったんです。人間関係があると、 その中での役割が出てきてしまうと思うんだけど、お風呂の中ではそういうのが何もない状態で、「ただそこにいていい」っていうのがすごく心地よくて。それで好きになりました。

(※)ケの日のハレ:「日々の連続に溶け込んだ、些細な幸せ」を意味しており、小杉湯が事業を行う上で大切にしている考え方。

対談中の様子(左から順に、ゆーみん、こうすけ、太陽、りん、取材担当者、かれん、めい)

――皆さんがさまざまな動機でここに集まっていることがわかり、すごく面白かったです。

――3期が始動して1ヶ月くらいということで、これから3期としてやりたいこと、メンバー同士の関係について「こうなっていきたい」というのがあれば教えてください。(※取材日:2023年6月28日)

ひろき:なんか俺、高円寺ともっと打ち解けたい。商店街を歩いていたら常連さんから声をかけられたり、そのまま飲みに行ったりする関係になりたいな。

 

こうすけ:うん。小杉湯が目的で高円寺に来ていたけど、もっと街に馴染んでいきたいな。

 

かれんBUKUBUKUって、小杉湯の中では結構特別な位置付けにあると思うし、メンバーもすごくしっかりしてて、 硬い言い方をすると意識高い人が多いなって感じる。でも私は、根本としては小杉湯がすごく好きで、小杉湯をきっかけに色々な街の人と繋がるとか、銭湯の良さ自体を草の根的に広げていくようなことをしたいから、もっと自然体で活動できたらいいなって思ってます。自分たちをブランド化しちゃうこともあると思うし、されちゃうこともある。でもそうじゃなくて、もっと自然な普通の人間であることを大事にしたい。

 

めい:小杉湯は高円寺にあるがゆえにすごいあったかい銭湯なんだなと思ってます。商店街が多いし、地元の人もあったかい雰囲気だから、まずは高円寺をいっぱい知って、その高円寺の人に向けたお風呂とかもやってみたいな。2期は居酒屋とコラボしていたけど、同じことをしてもつまらないから、3期でいろんなお店巡ったり、歩いてみたりしてやりたいことを見つけたいな。

 

りん:初めはお店のことで分からないことが多かったんだけど、番台に1時間立ってみたら「あれってこういうことか!」って分かることがあったから、BUKUBUKUはお客さんと小杉湯の運営を繋ぐ役割になれたらいいのかなって思っています。小杉湯の中の人よりも、地域やお客さんのことを知ることができるのかなって思うし、街と小杉湯を繋ぐ立場になれたらなと思う。

 

こうすけ:僕は、個人的なことでは文字で人に伝えるっていうことをBUKUBUKUでやっていきたいです。みんながそれぞれにBUKUBUKUに入りたいと思っていたけど、チームとしてやりたいことが決まっていたわけじゃないので、みんなでコミュニケーションをとるなかでやりたいことが出てきたらいいなと思っています。

 

ゆーみん:私は、2期の人が企画していた「高円寺マップ」を3期もやってみたら面白いかなと思ってる。作る過程で、街を歩いたり街の人たちと会話したりする機会ができると思うし。 それを小杉湯に置けば、常連さんとは「このお店いいよね」、「あそこもいいんだよ」っていう話の種になるかもしれないし、小杉湯を目当てに遠くから来てくれる人には私たちから見た高円寺の良さを見せられるといいのかなって思いました。

 

太陽:僕は子ども向けになんかやりたいなって思いがずっとあります。この前、佑介さんと「小杉湯となり」に託児所みたいな機能があってもいいんじゃないかっていう話をしたんだよね。そしたら、小杉湯でお風呂に入れて、「小杉湯となり」でご飯も食べられて、お母さんのタスクを減らすことができるんじゃないかって考えてて。共働きが多い今の世の中に、銭湯だからこそ貢献できることがあるんじゃないかなって思ってます。実現できるかは分からないけど、そういうことをやりたい。

 

(※)小杉湯となり:「小杉湯」の隣にある会員制のシェアスペース。銭湯が街のお風呂であるように、街に開かれたもう1つの家のような場所づくりを行っている。


――最後に、3期にとってBUKUBUKUがどんな存在かを一言で教えてください。

小杉湯 BUKUBUKU 3期
BUKUBUKU3期「街と人とをつなぐ架け橋」

――ありがとうございました!

 

毎年個性溢れる新しいメンバーを迎え、小杉湯と高円寺の架け橋として活躍するBUKUBUKU。学生だからこそできる発想とパワーで、これからも小杉湯から熱源を生み出し続ける。今、幅広い可能性を秘めるBUKUBUKUから目が離せない。