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【早大学生芸人の現在地】特別編 友田オレ×惹女香花×ナユタ スペシャルインタビュー!(前編)

早大学生芸人の現在地」は、早稲田大学のお笑いサークルに所属する学生芸人を取材し、活躍する彼らのありのままの姿に迫る連載企画です。

 

人気Web連載企画早大学生芸人の現在地シリーズでは、これまで数多くの早大学生芸人の皆さんに取材をしてきました。

今回は特別企画として早稲田大学お笑い工房LUDOのOBで、現在プロとして活躍中の友田オレさん(中央右)惹女香花(ひきめかぎばな)さん(右)、そして、学生芸人ラストイヤーを爆走中のナユタ おのはらさん(左)・ホリコシさん(中央左)の4人にスペシャルインタビュー『早大学生芸人の現在地とこれから』を実施!

LUDO時代の話から、衣装の話、プロ入りのきっかけなどまんべんなくお話していただきました

8000字越えのロングインタビューを前編・後編の2回に分けてお届けします。
前編はお互いの印象や学生時代の思い出について。

お互いの印象

 

――まず初めに、お互いの印象を教えてください。


友田:(惹女香花は)1年生の頃から先輩からも評価されてて、「すごいな」と思ってた。

ライバル意識が芽生えたりしたけど、今はどっちもプロになっちゃったので、それよりは同じ時代にお笑いをやってる同業者というか。

惹女:ずっと並行して一緒にやってたな。

友田:プロになって、ライブでもめちゃくちゃ会うようになったね。

惹女:同期だった人がお笑い養成所に入っちゃったりして、会えなくなることが多かった中、友田とはいまだに毎週のように会ってる(笑)。

友田:マジでそうだね、あんまり卒業した感がなくて。

惹女:卒業するときに、みんなと完全に離れるのが寂しくて、(芸人を)続けちゃってる部分はある。サークルがなくなるから寂しくて、同じようなことをやってたらプロっていう道になっちゃった。

友田:同期と久しぶりに会う嬉しさもある。破壊ありがとうとか 1ヶ月に1回か2回一緒のライブになって会うけど、そのくらいの頻度も、また嬉しい。

 

破壊ありがとう
ASH&Dコーポレーション所属。田中机、木下もくめ、森もりの3人からなるコントトリオ。早稲田大学お笑い工房LUDO22期(OB)。
破壊ありがとう 所属事務所タレントページ

楽しそうに話す友田オレさん 惹女香花さん

卒業後もよく会っていることを話す友田オレさん(左)と惹女香花さん(右)

――ナユタさんとはいかがですか?

友田:ホリコシははじめから色んなコンビで精力的にやってる人だなという印象を受けていて。おのはらはちょこちょこやってて、ナユタをやりだしてからガッツリやってるイメージかも。
ナユタは後輩だけど、学生以外もいるライブに出てるから、現役の中では一番会えてるかな?

惹女:めちゃくちゃライブで会うよね~。

おのはら:めちゃくちゃ会いますね。 

友田:嬉しいね、全然寂しくない。

 ――ナユタさんからおふたりへの印象はいかがでしょう。

おのはら:おふたりはそれぞれ、新たな道を切り開いてくれたというか。惹女さんは特に、学生時代からライブシーンでバンバン活躍していて。レジスタリーグ!からプロのライブに進んで、そっちでも活躍していて。学生芸人がプロのライブに出るのが当たり前になるきっかけになってたなと。

 

レジスタリーグ!
プロアマ問わず参加が可能なお笑いライブ制作会社「K-PRO」が毎月開催している、16歳~22歳の芸人によるバトルライブ。(K-PRO HP

 

惹女:ただ、学生芸人は全員がプロを目指してやってるわけじゃないんで。表現したくてやってるだけの人も「なんかプロに行かなきゃいけないのかな?」みたいな雰囲気ができちゃったっていう申し訳なさ。一方で、学生芸人はプレッシャーもルールもないから、自由なことができるやつらで埋め尽くしちゃうっていうプロの人たちに対する申し訳なさもある。

おのはら:あと、おふたりは学生ながらメディアにバンバン出演して、「学生芸人」の知名度を上げてくれた。学生芸人が現役でメディアに結構出てるっていうのは、珍しかったと思うんで。

惹女:大抵の学生芸人は、学生の中で「面白いぞ」って認知されていって、たまに賞レースに引っかかったり、なんかのメディアに呼ばれたりとかする。その中で、友田がすごいのは早い段階でネタの動画がテレビの大人に見つかったこと。

友田:あのときは結構ヒヤヒヤしたね。

惹女:藤井健太郎さんという『水曜日のダウンタウン』のディレクターが友田の動画を「見ました」ってツイートしてて。部室にいたら、友田が「やばい。藤井健太郎」って顔面蒼白で部室に入ってきて(笑)。「俺はもうお笑いが自由にできないかもしれない」って言って。

友田:嬉しかったですけど、大学お笑いの中ですら土台がまだできてない頃だったので。言ってしまうと、「どっちにも(大学お笑いとメディア)居場所がなくなるんじゃないか?」みたいな不安がありました。  

惹女:あと、学生でメディアに出ることがそんなになかった中で、最初から衣装とか雰囲気とか髪型も含めて1個ちゃんとキャラクターにしてから、出て行ったなって。

友田:あ~。惹女とかナユタは、ラフなのが良さみたいなところもあると思う。完成しきっていないのが、安心して見れるというか。いま漫才師のスーツブームすごいじゃん、全員肩が角ばってて。社会人みたいな。その中でダボっとした服でやってくれたら嬉しいなあ。

おのはら:Tシャツ、(権利関係で)変えなきゃなんですけどね……。

惹女:(笑)。スーツ着てないから(ナユタを)応援してる人がいると思う。まず、まだ大学生っていうのが応援要素になるし。大学生がそのまま来てる感じがしていいよね。

友田:ネタの話で言うと、ゆるいけど中身が詰まってる。それは衣装と合ってる気がしてすごくいいなと思うね。

 

先輩である二人の印象を真剣に話す ナユタ おのはらさん

学生時代の思い出


――皆さんのサークル時代の思い出を教えてください。

友田:LUDO内での交流はめっちゃありましたね。

惹女:合宿の宴会で、シャッフルされたメンバーでネタをやろうみたいな時間があるんです。でもみんな普段からネタやってるから、あんまり適当なことできないというか、意外とかっちりネタを作るみたいな。それで、僕とホリコシとあと何人かでグループになったんですけど、マジでいいネタ作れて(笑)。

友田:どんなネタだっけ?

惹女:寿司屋のネタ。ホリコシが寿司屋に来て、あと 4人5人ぐらいが迷惑な客(という設定)。内輪のボケとかも入れてたけど、ちゃんと強いボケとかも入れて~みたいな(笑)。めっちゃ楽しかったですね。そうやっていろんな人と組み放題なのが学生芸人のいいところ。何でもできる。

友田:そこが醍醐味だよね。プロと全然違う。

惹女:前のライブで『全員』っていう、その場にいる人全員出ていい40人ぐらいのコントがあったんです。「とりあえずみんなこのリズムを口ずさみながら出てくればいいから」って言われて。

友田:あれ見てたけど、みんなにやにやしてたよね(笑)プロじゃありえないネタ。

おのはら:めっちゃ面白いんだからみんな高評価つけてくれればいいのに、9位とかになってましたね。

惹女:ガチの漫才とかには負けるっていう(笑)。お笑いサークル入るまでそんなに人生が楽しくなかったから、そういう意味ではサークルがあってよかったなって。そういう人のための場所って感じもするよね。

友田何回も「こんな楽しくていいんだっけ?」って怖くなった(笑)。合宿終わった後とか、ライブとか大会とか。大会で負けてもそんなに悔しくないんです。めっちゃ集中して挑んで、他の仲間とバトルして、それだけでめっちゃ嬉しくて。「こんなに没頭できて大丈夫なんだっけ?」って思います。

惹女:すごいよね、大会って。大学卒業して、俺、今年の夏(大学)芸会出ないんだって思ったら、どうやって頑張ればいいかわかんなくなっちゃった。

友田:いやいくらでも(大会)あるでしょ(笑)。

惹女:まだR-1グランプリのためだけに1年やれないというか……全然違うんです! R-1グランプリは作家の人が審査をする大会ですけど、大学芸会って本当にウケたもん勝ちというか。見に来てる人が一番笑ったやつが勝つだけの大会だから。

おのはら:純粋にね。

惹女:何も裏切らない。負けたら自分がウケなかっただけだから。あれはすごい。

日本全体がお笑い好きになってきてる


――学生芸人出身のプロがテレビで活躍するようになり、お笑いサークルに注目が集まっている気がします。

おのはら:今年ぐらいから雰囲気もちょっと変わってきてて、本当にお笑い好きのためだけのサークルだったのが、もう一大有名サークルみたいな。

惹女:いよいよ恥ずかしくなくなってきたんですよ。俺はサークル入ったばっかりのとき、授業で会った人には「サークル入ってないんだよね」って言ったり、もう1個のサークルのことだけ言ったりしてた。だってお笑いやってるなんて恥ずかしいじゃん。そんなの周りの人に絶対に言えないものだ、って思ってたけど、この4年間のうちに風潮が変わってきたというか、今の人って「軽音入ってる」ぐらいのノリで「お笑いサークル入ってる」って周りに言えるんだろうなっていう感じがします。

友田:俺、(昔から)結構言ってた。勘違いかもしれないけど、お笑いサークルに入ってるって言うことであんま舐められない気がしてて。大学生は何か1個やっといた方がいいかなみたいな。それか、お笑いしかすがるものがなかったのかもしれない。「何やってんの?」って言われて、お笑いサークルって言わないと不安だったのかも。

惹女:俺は未だに言ってない。バイトとか始めても極力「芸人です」って言ってないし。「ちょっとまだ留年しちゃってて……」とか、エンタメ系、舞台系とか言って逃げてます(笑)。

友田:美容院で「仕事柄オールバック気味にすることが多くて」って言うと「何の仕事ですか?」って聞かれて「舞台関係ですかね」って答えるときある。

惹女:役者だと思われればそんなに恥ずかしくないかも。そもそも仕事柄って言わなければいいんじゃない?

友田:いや普段からオールバックにしてるやつ、やばいよ(笑)。

 

――お笑いをやっていて、周りの変化は感じますか?

おのはら:日本が変わってきてて。日本全体がだいぶお笑いを好きになってる感じ。

惹女:確かにね。日本でもついにお笑いがメジャーになっちゃったというか。これは大喜利も関係あると思ってて。大喜利って見る専があんまりいなくて、自分もやってみようかなと思ったらすぐできちゃう。
大学お笑いもそれに近くて、見る専ってあんまりいない。「やる」と「見る」の2つが融合してるから、もう日本そのものが一億総演者時代みたいになってるんじゃないかな。「見るんだったらやるのもいけるでしょ」みたいな人が増えてて、ライブの感想も「面白かった!」だけじゃなくて、たまに「参考になった」とか「俺もやりたい」とか言う人いるんだよ。「俺もできるし」ってみんなが思い始めてる。

友田:そういうお笑いのハードルの低さがいいよね。この間、音楽のフェスに芸人枠みたいな感じで出て。ミュージシャンがステージやってる合間に隣のサブステージで芸人が5分ずつぐらいネタをやるっていう。それって完全に音楽がメインでお笑いがサブみたいな感じじゃん。今はお笑いの人気が出てる感じはするけど、あくまで音楽とかのメインのカルチャーの1個下にあり続けることが大事なのかなって。

惹女:「俺でもできる」ぐらいに思われてた方がいい気がするな。そもそもは漫才も色物というか、落語の寄席の中で出てきてふざける人、ピエロみたいな。多分、それくらいの立ち位置にいないと面白くないというか、立派な人がやっててもしょうがないものではあるよね。

学生お笑いや日本のお笑いについて真剣に話す皆さん

プロフィール

友田オレ(ともだおれ)
福岡県出身。GATE所属(GATE タレントページはこちら!)。
早稲田大学お笑い工房LUDO 22期(OB)。

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惹女香花(ひきめかぎばな)
千葉県出身。グレープカンパニー所属
(グレープカンパニー タレントページはこちら!
早稲田大学お笑い工房LUDO22期(OB)。

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YouTubeチャンネル

ナユタ
おのはら
宮城県出身。大学4年生。
早稲田大学お笑い工房LUDO23期。

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ホリコシ
東京都青梅市出身。大学4年生。
早稲田大学お笑い工房LUDO23期。

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ナユタ YouTubeチャンネル

 

出演情報

惹女香花 出演 『シスタン』

日時:9月13日(金)開場 19:00 / 開演 19:15
会場:浜田山会館

チケット:2000円(TIGETより予約、当日支払い)

TIGETはこちら!

『ナユタの伸びしろ!』配信中!

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『早大学生芸人の現在地とこれから』後編はこちらから!