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【MBTI®】Interview 一般社団法人日本MBTI協会~MBTIとはなにか~

MBTIとは、一体なんだろう……⁉私たちは、日本MBTI協会の事務局長・真下さんと事業部長・落合さんに話を聞くことができた。

MBTIとはどのようなものなのか教えていただけますか?

落合:MBTIは、人の認知のスタイル、心のクセや心の習慣を探るもので、SNS上で見かける性格診断テストではありません。
MBTIは、国際規格にもとづいて研究開発された、信頼性、妥当性が検証されたフォーマルな心理検査の一つで、米国で開発され、60年以上の歴史があります。
そして、日本におけるMBTIは、日本のMBTIの第一人者である園田由紀先生が、単に英語を日本語に翻訳したのではなく、日本の文化や日本人の心性にあったかたちで10年以上の年月をかけて研究開発され、2,000年に倫理的普及がはじまりました。
MBTIは、適性・適職や能力・相性を測るものではなく、受けた本人が有資格者(MBTI認定ユーザーといいます)の支援のもと、検査結果を検証するプロセスを踏み自己分析を深めていくことが特徴です。
MBTIでは、ユングのタイプ論をベースに受検者の持って生
まれた性格に焦点をあてます。4つのアルファベット記号の組み合わせで16タイプありますが、それらには優劣はありません。

真下:一般的な性格診断テストは、人と人とを比較して性格を捉える特性論のアプローチがほとんどですが、MBTIはタイプ論という理論をベースで性格を捉え、比較するアプローチを取りません。

各国で出版されている『MBTIタイプ入門』
各国で出版されている『MBTIタイプ入門』



特性論とタイプ論の違いについて、もう少し詳しく教えてください。

真下:一言で言うと、特性論は性格を誰しもが持っている特性の量や程度を測り、タイプ論は性格を質・カテゴリーに焦点をあて分類します。
私たちは日常で特性論の考え方(ふつう、こうだよね)に慣れているため、誰かと比較したり社会の基準(普通)と比べてしまって、長所・短所という観点から自分や他者を見て、悩んだり、優越感を持ったりすることになる。
それとはまったく別の「人と比較しない性格の見方があるんですよ」って、ユングの提唱したタイプ論をベースにしたMBTIを提案しているのです。

 

具体的にMBTIで自分を分析していくセッションの内容について、教えていただけますか?

落合:実際のセッションでは、あるテーマについてグループで話し合ってもらったり、個人で考えてもらいます。いくつものエクササイズを体験したのち、「ベスト・フィット・タイプ(ご自分にとって最もしっくりくるタイプ)」を見出していただきます。
「自分はこういう時こう思うな」から「なぜそう思ったんだろう」という動機へと自問自答もして、日常の自分を深掘りする体験をしてもらうんですね。

 

MBTIのセッションを受けることで、どのような良いことがありますか?

落合:例えば、日常では同じ日本語で話しているので、「当然伝わるだろう」とさえ考えもしないわけですが、それぞれタイプが違うと、実は「こんなにわかりやすく伝えているのに、受け取ってもらえなかった気がする…」などと思ったりするわけです。
お互いのタイプの違いが認識できれば、お互いに誤解したり不寛容であったりは避けられる可能性が出てきますね。

 

自分のMBTIのタイプが確立した後はどのように生かしていくのでしょうか?

落合:学生さんでしたら、就活がありますよね。MBTIは就活には特に役立つ自己分析メソッドです。ある職業に興味があるとか、惹かれるとかが出てくると思います。
そのようなときにタイプは、なんとなくではなく理論に基づいてその動機を自分で探ることが可能になります。自分の心のマネジメントにつなげていただけるんです。
ただ、向き不向き・得意不得意・できるできない、という適性は見ていないので注意が必要です。

 

近年「16 Personalities」などの16タイプ診断が流行していますが、それについてどう思われますか?

真下:16Pesonalities性格診断テストとMBTIは全くの「別物」です。すでにお分かりと思いますが、依って立つ理論が全く違うんですね。
MBTIはタイプ論ですが、MBTIのオリジナルの4つの記号を16Pesonalitiesも使用していますので、みなさんがMBTIだと思ってしまいますが、MBTIが普及して60年の間に、その記号が特性論の検査で使用されるようになってしまったということです。

MBTIに似て非なる性格診断テストでは、タイプで人を型にはめると思いますが……。

落合:MBTIは回答結果がわかってもそれで「このタイプはこう」と型にはめることも、「この行動をとるからこのタイプ」ということはしません。実際のセッションで、有資格者の支援の下、受講生の方がご自分でご自分のタイプを探求していきます。

MBTIの理解に最適な『MBTIへのいざない』
MBTIの理解に最適な『MBTIへのいざない』

 

取材を通して、MBTIとは検査結果が自分だと決めつけるものではなく、自分と他者はそもそも違う存在だという観点から自分への理解を深めて豊かに生きることを目指すものだとわかりました。

落合:もちろんMBTIで知ることができるのは自分の心の一部ですが、自分の持ち味や持って生まれたタイプというものがわかるだけで、生涯を通してタイプは心の羅針盤として自分の中に居続けて、自分の成長のために進むべき方向を指し示してくれるはずです。
自分をじっくりと分析することにそして自分を成長させることにご興味があれば、世界で最も有用性が認められている公式の日本版MBTIを受けていただきたいと考えています。

 

取材後記
なんと早稲田OB・OGの優しい方々で、わかりやすく説明していただき、とても濃い1時間を過ごすことができた。
本来のMBTIについての認識が深まり、明日からはもう性格診断に騙されない生き方ができそうだ。
®MBTI is a registered trademark of The Myers & Briggs Foundation in the United States and other countries.