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設立から5年、すべての早大生の拠り所へ 早稲田大学GSセンター

「日本初!LGBT学生センターを早稲田に!」と題された学生企画をきっかけに発足した「GS(ジェンダー・セクシュアリティ)センター」も、今年4月に開設から5年を迎えました。

本記事では、5年間で起きた変化や、見えてきた課題をスチューデントダイバーシティセンター長の秋葉丈志さん、GSセンター専門職員の向坂あかねさん、担当課長の三木基司さんにインタビューします。

 

GSセンターってどんな場所?

 GSセンターは、2015年に行われた「Waseda Vision 150 Student Competition」という学生コンペで総長賞を獲得した企画である「日本初!LGBT学生センターを早稲田に!」を基に、2017年に設立されました。ジェンダー・セクシュアリティに関するリソースセンターとして、障がい学生支援室、異文化交流センターとともにスチューデントダイバーシティセンターを構成しています。


相談支援を基にした課題解決と、研修やイベントによる啓発をミッションとしていて、21年度はイベント・研修に1395名が参加し、239件の個別相談を受けています。

2021年度の活動報告書はこちらから

設立に関わった学生のインタビューはこちらから

 

 

 

GSセンターへインタビュー

スチューデントダイバーシティセンター長の秋葉丈志さん、GSセンター専門職員の向坂あかねさん、担当課長の三木基司さんお話を伺いました。また、編集の都合上、お三方の発言を要約してインタビュー記事にしています。

――日本初のジェンダー・セクシュアリティに関するセーファースぺース/リソースセンターとして設立されてから6年、他大学への波及はありましたか。

「他大学で新しい取り組みをする際、例えばLGBTQ+学生に配慮した学生寮の運営などで個別に問い合わせをいただくことがあります。あとは、他大学のダイバーシティセンターなどとお互いに訪問したこともあります。

ただ、社会的な波及効果を考えるより、まずはGSセンターが、早稲田の学生にとっての居場所として機能することが大事です。早稲田にGSセンターがあるという環境で学生が卒業したのち、例えば教員になった学生が『早稲田にGSセンターってあったよね、そしたら学校としてもそういったことができるよね』と思ってくれたりと、それぞれの場所で還元していくことで、社会的なインパクトが出てくるのではないでしょうか」

 

――コロナ禍を経て、心理的な専門知識を踏まえた相談支援の必要性を感じられたとのことですが、今後どういったサポートを考えていますか。

「2020年度からメンタルヘルス関係の相談が増加していました。専門医の対応が必要になるので保健センターとの連携を強めています。早稲田大学は大規模で部署が違うとなかなかコミュニケーションが取りづらいので、今年度から保健センターとの兼任職員を配置するようになりました。また、ポジティブな変化として、オンラインでの相談やラウンジ対応を進めたことで、より利用しやすくなりました」

 

――サポートの幅が広がった面もあるのですね。

「良し悪しありますよね。色々と対応していて、オンラインではなく対面利用の限界も見えてきました。最大の障壁としてあるのは、やはり部屋が狭いこと……。図書スペースやコミュニケーションスペースが一つの狭い部屋にあるので、部屋中に声が聞こえてしまい、静かに過ごしたい人と、学生同士で話をしたり教職員に相談したりしたい人がお互いに気持ちよくGSセンターを利用できない場合もあります」

――いまだに学内では、講義中の発言など教職員からのハラスメント被害があります。改善に向けた取り組みを教えてください。

「教職員への啓発がまだまだ足りないということは認識しています。一方で、まず大きな一歩として、教職員の研修が今年度から変わりました。以前は希望者が勉強会などに参加するだけでしたが、今年度から全教員が受講しなければならないオンライン研修の一つとして、ジェンダー・セクシュアリティついての研修が加わっています」

 

――ハラスメント被害防止に向けて、研修動画以上の実効的な対策を進めるなかで、教授の自由(教員が講義内容・形式の制限を受けない自由)と学生の人権との衝突はありますか。

「ハラスメントをする自由はないので、差別や侮辱表現、ハラスメントは教授の自由には含まれないのではないでしょうか。ただ、これは議論なのか、それとも差別や中傷なのかという線引きが難しい話もあるかなと思います」

 

――差別や偏見を再生産する言説は許容されるのでしょうか。

「講義中の議論で様々な見解に触れることはあると思います。ただ、その中である考え方が絶対的に正しいとか、教員がある人の考えを排除するような教え方はできないのではないでしょうか」

 

――学生の相談を受ける中で大学の制度面の改善が必要なとき、GSセンターではどのように解決していますか。    

「学生御本人がどうしたいかをベースに考えます。大学に対して働きかけてほしいとなれば、学生ご本人の同意の上でGSセンター職員全体はその都度、どこの部署に働きかけて学内で調整して、仕組みを変えていくかということを考えています。

近年でいえば、セクシュアリティの視点からセミナーハウスの運用を見直した調査合宿や、や履修者名簿における男女別記載の撤廃に取り組みました。これらのように、具体的な障壁や違和感が自分の中だけではなくて制度によるものであったときに、GSセンターが大学の組織としてコミュニケーションを取ることで、学生一人では難しいことも変えていける場合があると私たちは考えています

 

――最後に、学生へメッセージをお願いします。

「GSセンターは、『LGBT Q +学生や、ジェンダー・セクシャリティに関心のある全ての人々の居場所』であり続けることを目指して運営していますが、居場所は運営する側だけで作っていくものではなく、そこに居てくださるみなさんと共に、その時々で文化や慣習をアップデートしながら作り続けていくものだと思っています。

GSセンターの利用者であるということは、GSセンターの大切なコミュニティメンバーである、ということです。GSセンターを様々な理由で利用される学生のみなさんには『ここは自分の場所だ』と思ってご利用いただけると嬉しいです。

また、10号館のGSセンターへのオフラインでの来室だけでなく、GSセンターのオンラインラウンジや各種イベント、そしてPodcast,Instagram,Twitter,note,メールマガジンなどのソーシャルメディアを通じてもつながっていただけます。

みなさんそれぞれの、つながりやすい形でGSセンターに関わってください