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「ヤンキーはキュートだ」MEGUMIが明かす『ラヴ上等』の裏側——なぜ今、若者に刺さるのか

「ヤンキーはキュートだ」。『ラヴ上等』のプロデューサーを務めるMEGUMIは、そう語る。好きなら好き、嫌なら嫌。気まずくても相手と向き合い、感情を隠さずぶつけ合う参加者たちの姿に、10代からは「こういう生き方があったんだ」という声も届いたという。なぜ今、まっすぐな姿が若者の心をつかむのか。こだわり抜いた美術セットや、100年前の学校を舞台にしたロケ地、驚きの2期生システムまで。MEGUMIに、『ラヴ上等』の制作秘話と、その裏にある思いを聞いた。

❤️‍🔥「恋も喧嘩も命がけ」

——『ラヴ上等』は若い世代にも大きな反響を集めています。これほど多くの人に届いた理由を、どのように考えていますか。

日本だけでなく海外でも結構見ていただいたんですけど、日本では10代から50代、60代まで、本当に幅広い世代の方が見てくださったんです。それぞれの世代で感じ方も違っていて。10代の方から言っていただいたことで印象的だったのが、「こういう生き方があったんだ」という言葉でした。

今はSNSだったり、いろいろなコミュニティーだったり、みんなの目を気にしながら投稿したり発言したりすることが多いと思うんです。もちろん『ラヴ上等』に出ている彼らも、人の目を気にしていないわけではない。でも、気にしていないように見えるというか。「好き」「嫌い」という気持ちを、本当に全部出して生きている。

それが10代の方にはすごくまぶしく映ったみたいで、「こういう生き方をしてみたい」「人生についての考え方が少し変わりました」と言ってくれた方もいました。そういうふうに受け取ってもらえたのは、すごくうれしかったですね。

 

——ヤンキー文化を恋愛リアリティ番組として描く上で、大切にしていたことはありますか。

私は15歳ぐらいの頃、周りにヤンキーがいたんですよ。もう30年近く前の話ですけど。ヤンキーって何でもはっきり言うし、実はすごくレディーファーストなんですよ。「俺の女」ってみんなに紹介したり、女性が車道側を歩いていたら「危ないからこっち来いよ」と言ったり。

キュンとするポイントがめちゃくちゃ多かったんです。

だから、悪自慢とか怖いという部分ではなくて、私の知っている「ヤンキーはキュートだ」という一面をすくい上げようとしました。

 

——番組には「恋も喧嘩も命がけ」という印象的なコンセプトがあります。どのような想いを込めたのでしょうか。

人って結局、「ああすればよかったな」と過去を考えたり、「こうなったらどうしよう」と未来を考えたりしながら生きているじゃないですか。でも彼らは、「今」を大事にしているんですよね。「今好き、今うれしい、今悲しい。」

『ラヴ上等』では「今を生きる」という言葉をよく使っているんですけど、「命がけ」というのも、そういう生き方を表した言葉なんです。今を生きることって、本来すごく大切だと思うんですよね。こうして皆さんと話しているときにも、明日のことを考えながら話すのではなくて、今ここで出会った縁を感じながらちゃんと話をする。それってすごくすてきなことだと思うんです。でも忙しくなると、なかなかできなくなってしまう。彼らは「今を生きる」を体現している人たちなので、そういう意味をコンセプトに入れました。

❤️‍🔥なぜ「まっすぐな恋」が今の若者に響くのか

——大学生くらいの世代が『ラヴ上等』を見ていることについて、どのように感じていますか。

逆に、皆さんがどう感じているのか知りたいです(笑)。同世代くらいの方が見てくださるのかなとは思っていたんですけど、ここまで若い方にたくさん見てもらえるとは思っていなくて。何に響いて、何がそんなにみんなの心を動かしているんだろうって、逆に知りたいですね。

 

——私たちの世代から見ると、見た目や第一印象だけではなく、一途さや人柄に向き合って恋愛しているところが印象的でした。

そうだよね。恋愛離れがあるという話も聞くけど、誰かととことん向き合うという感覚そのものが少なくなっているのかもしれない。だからこそ、彼らが少しまぶしく見えるのかなと思います。

 

——『ラヴ上等』を通して、今の若者の恋愛や人間関係について感じたことはありますか。

皆さんからこういう話を聞いたり、自分でも調べたりしていると、テキストでは会話しているけど、男女が実際に会って深く話すことは、私たちの世代より少ないのかなと思いました。

恋愛をしていたら、「なんであのときこうだったの?」みたいな、ちょっと気まずい会話ってめちゃくちゃ起きると思うんですよ。でも今は情報を得すぎているからこそ、「こんなことを言ったら相手に申し訳ない」とか、「面倒くさいと思われる」とか、理由をつけてそういう話をあまりしなくなっているのかなと感じました。

でも私は、それも人と関わる醍醐味だと思うんです。大変だけど、やらなきゃいけない。そういう経験をするからこそ、年齢を重ねたときに、人を見る目も養われていくのかもしれない。

だから『ラヴ上等』を見て、「喧嘩するかもだけどこれ伝えようかな」とか、「LINEじゃなくて電話してみようかな」とか。そういうふうになってもらえたらうれしいですね。

❤️‍🔥「水はヤベェだろ」

——SNSでは番組参加者の言葉そのものも視聴者の胸を打っています。

参加者が言った言葉を、そのままSNSに上げてくださる方がいるじゃないですか。それって、ドラマや映画では意外とないと思うんですよね。セリフをもう一回言いたくなるというか。友達や俳優さんが参加者のものまねをしてくれることもあって。「つーちゃんがこうだった」とか、みんなが言いたくなる。それってすごいことだなと思いました。

なぜなんだろうと考えると、一つは血の通った言葉だからだと思うんです。それと「水はヤベェだろ」とか「しょーみ」とか、「どういう意味?」と思うような(笑)、今まで出会ったことのない言葉同士が出会っている感じがある。そこは私たちにとってもすごくうれしい驚きでした。だから宣伝するときも、「この人たちは言葉がある」ということは意識しています。

❤️‍🔥「ヤンキー✖︎ カワイイ」世界観はどう生まれたのか

——番組は、美術や音楽も含めて独特な世界観があります。

見たことのないエンタメにしようと思っていました。美術も、ただかわいくするのではなくて、ちゃんとヤンキーと親和性があるものにしなきゃいけない。

ヤンキーって、日本文化のちょっとした集結みたいなところがあると思うんです。学ランの背中に刺繍を入れて、そこに桜吹雪があったりする。彼らって結構カオスなんですよ。でも同時に、すごく日本的な文化を持っている。そこがヤンキーの面白さで、まだ海外にもあまり届いていない世界観なんじゃないかなと思いました。だから美術も、彼らとリンクするものをたくさん集めて。ぐちゃぐちゃなんだけど統一感がある、「居心地のいいカオス」を作りました。

 

——セットの制作にはMEGUMIさん自身も関わっていますか。

もちろん美術会社の方が作ってくださっていますが、私はああいう世界観がすごく好きなので、コラージュ写真を送って、「こういうものを入れてください」「こういう世界観で」と結構細かくお伝えしています。それを美術さんが形にしてくださっています。

 

——シーズン2では、シーズン1から美術面でどのような変化をつけましたか。

今回は少しモダニズムの要素を取り入れました。部屋ごとに色も決めていて、女の子の部屋はイエロー、男の子の部屋はブルー。リビングはピンクとグリーンで、キッチンはオレンジという感じです。昔のデザインって装飾がすごく多くて、「デザイン、デザイン、デザイン、デザイン!」みたいな時代だったので(笑)。少し気品のあるモダンさをシーズン1よりも入れました。

それから、今回は海の近くなので、マリンアカデミーみたいな感じのセットにしました。海外の海の近くにあるボーディングスクールのようなものを参考にして、「マリン」というテーマを立てています。だからボーダー柄を使っていたり、本編の中の参加メンバー達のがインタビューシーンの背景にも、実はボーダーが入っていたりするんです。シーズン1のカオスさは残しながら、そこに品格やモダンさを足した世界観にしました。

❤️‍🔥「喧嘩も恋も海の前」100年前の学校を舞台に

——シーズン1とシーズン2ではロケ地の雰囲気も大きく変わりました。どのように選んだのでしょうか。

今回やっぱ夏の配信を目指してたので、海っていうのを全面的にPRしたい、「喧嘩も恋も海の前」ということで、海が見える学校を探しました。ただ、撮影自体はそこまで暑い時期ではなかったので、その時期でも泳げる場所となると、沖縄になっていったんです。そうしたらスタッフの方が、本当にすばらしい学校を見つけてきてくださって。体育館の外を見ると、もう海なんですよ。本当に海沿いにある学校で、あんなところはなかなかないと思います。奇跡的な学校でした。

100年以上前の校舎なので、もちろん老朽化して傷んでいるところもありました。でも学校の壁を全部塗り直して、中も作り直して装飾しました。時間がない中でスタッフのみんなが作ってくれたので、本当にみんなの汗と涙の結晶です。

 

——シーズン2では「二期制」という仕組みにも驚かされました。

Netflixにエグゼクティブプロデューサーの太田大さんという、本当に師匠みたいな方がいるんです。シーズン2をやる以上、シーズン1をどうしても超えなきゃいけない。それをいろいろな角度から考えないといけませんでした。

そのときに太田さんから「二期制はどうだろう」というアイデアが出たんです。「それはめちゃくちゃびっくりしますね」となって。ここで終わったと思ったら、また始まる。それは絶対に面白いなと。発表の仕方もサプライズにして、「あと何話」といった情報も出さないようにしました。友達からもLINEがたくさん来て、「やられた」とか、「終わって寂しかったからうれしい」と言ってもらえて。本当に反響も大きかったのでうれしかったですね。

 

——一期生から留年するメンバーもいました。

それも最初から、「誰か一人には残ってもらおう」と決めていました。私たちが見ていて、「もう少しできたことがあったんじゃないか」とか、「もう少し自分の軸で動けたんじゃないか」と思う人に、もう一度過ごしてもらいたいと。誰にするかは卒業式当日にスタッフみんなで話し合いました。

たいちゃんが「もう少し頑張れたんじゃないかな」という話になって、本人に「どう?」と聞いたら「やります」と言ってくれて。あの日は本当にドキドキしましたね。

❤️‍🔥オーディションで選び抜いた参加者が支える恋の展開

——参加者はどのように選んでいるのでしょうか。

オーディションです。本当にたくさんの方にお会いして、最初に私が皆さんと面接をしています。そもそも今ヤンキーってそんなにいないじゃないですか(笑)。だからシーズン1は探すのが結構大変だったんです。でもシーズン2では、一度番組を見てくださっているので、「我こそは」と志願してくださる方が結構いました。

 

——メンバー同士の組み合わせも考えながら選ぶのでしょうか。

そうですね。やっぱりバランスです。「この人とこの人が関わったら面白そう」とか、「この2人には友情が生まれそう」とか。職業もバラバラなほうがいいなとか。顔写真を磁石みたいにして、「この人とこの人だったらどうかな」と動かしながら、スタッフみんなでいろいろなパターンを考えました。本当に考えて、考えて、考え抜いて、今のメンバーに参加してもらったという感じですね。