小杉湯を盛り上げる!
BUKUBUKUって
一体何者?
そんな高円寺の風情あふれる純情商店街を抜けた先に、そっと佇むのが、
老舗銭湯「小杉湯」だ。
高円寺内外の人から長年愛されてきた小杉湯は、1日平均500人の利用者が訪れるなど絶大な人気を誇る。
その人気の秘訣は、「誰に対しても閉じない場所」をモットーに営業し、様々な人にとっての居場所として機能してきた歴史があるから。
2024年4月には、東急プラザ原宿「ハラカド」に銭湯として出店するなど新たな挑戦をし続けている。
今回は、そんな魅力的な小杉湯を居場所とし、さらに魅力的にするべく活動する、学生企画チームBUKUBUKUに取材を行った。
現在3期まで続くBUKUBUKUとは、一体どんな集団なのか⁇
とくとご覧あれ!
“いっくん”さん、“ジェット石田”さんのお二人にお話を伺った。
――まず、1期生がBUKUBUKUとして活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
いっくん:同じような世代のアルバイトがたまたま集まっていたので、そのメンバーで一緒に動いたらビッグな企画とか面白いことができるんじゃないかっていう感じで(小杉湯の社長である)佑介さんに集められたのが始まりです。
ジェット石田:正直なところ、最初は特別な動機はなく、ただ集められただけという印象から始まりました。
――そもそもお二人が小杉湯に関わり始めたきっかけは何だったのですか?
いっくん:大学生活中、絶対に1年間は休学しようと思っていて。でも休学してもただ家にいるだけじゃ勿体無いから何かコミュニティなり仕事なりに属そうと思っていたんです。
そのときに小杉湯のやっていることが面白かったから、ここで1年間費やすことによって何か得るものがあるんじゃないかなって思ったんです。まあ、それほど深い意味はなく、軽い気持ちでインターンを始めました。
ジェット石田:私は大学で、プロのライターの先生が開講しているゼミに入っていて、そのゼミの課題で銭湯をテーマに小説を書くことになったんです。
そのときに初めて小杉湯に入って、もっと銭湯のこと知りたいなって思ったのがきっかけです。それで小杉湯のアルバイトを始めました。
――学生だけの集団で、いっくんさんは統括を任されていらっしゃったということですが、活動するうえで学生だからこそできたなと思うことはありますか?
いっくん:損得勘定なしに企画に参加できるっていうのは、学生の特権。時給とか云々抜きに、自分で将来役に立ちそうだなって感じることに惹かれて活動するっていうのは、学生のときにしかできないと思います。
ジェット石田:そうですね。「純粋に良いと思ったからやりたい」っていうのができた期間だったかなと思っています。
――学生の団体として活動を進めるうえでどのような苦労がありましたか?
ジェット石田:創設したばかりの頃は、みんなで何をやるか・何をやりたいかって話を5、6回くらいワークショップをして決めていきました。とはいえ、そういうのを具体的な活動にまで落とし込むには時間がかかったし、大人とちゃんと話をして交渉するのはすごく大変で、ほぼほぼその時に余力がある一部のメンバーでやっていました。
でも、それを他のメンバーと共有して、ちゃんと全員で仲良くなるっていうことができたのは、自分自身すごく頑張ったかなって思います(笑)。
いっくん:自主的に生まれた団体じゃないので、特に言われなかったら基本的には何もしないわけですよ。だけど、活動の予算は毎月貰っていて、何か活動をしなくちゃいけないっていう、ジレンマがありました。お遊びサークルなのか、しっかり小杉湯に貢献するものなのかっていうので、メンバーの中で考え方が違ったんです。小杉湯の運営側がBUKUBUKUに求めているものも人によって違ったから、そこを1つにまとめることが難しかったです。
ジェット石田:「私たちはこういう価値を提供してます」という示しはやっぱり必要で、それをするには周りからの要請に応えるというところが大きかったんです。そういう周りからの求めに対する反抗心みたいなものもメンバーの中にあったので大変でした。
――そういった苦労があるなかで、どのようにしてチームとして1つにまとまっていったのですか?
いっくん:やりたいやつがやるんです。企画に対してやりたくないやつもいるので、やりたい人と意見を出した人が、その企画はちゃんと責任持ってやることで、チームとしてまとまることができました。
――活動を振り返って、何か印象的なエピソードはありますか。
ジェット石田:やっぱり高円寺のお店の方と仲良くなったのが1番大きいかなって思っていて。徐々に顔馴染みのご近所さんみたいになっていって、何もないときでも友達を連れて行こうとか、ちょっと仕事がうまくいかないから愚痴りに行こうとか、そういうことが軽くできる関係性になったのが、すごくいいなって。
いっくん:一緒ですね。違う世代の方とか、普通の学生をやっていたら出会えなかったような人に出会えたことは、とても貴重だったなと思います。
――BUKUBUKUとしての活動を終えて、今はどんなことをされていますか。
いっくん:メーカーで働いてます。
ジェット石田:私は制作会社に勤めています。
――会社で働くなかでBUKUBUKUの活動が生きていることはありますか。
いっくん:BUKUBUKUでの1年間で色々な大人に会えたので、職業選択にとても役に立ったと思います。あと、その時に月8万円で一人暮らしをした経験が大きかったです。ほぼ自立した生活を送る中で、生きていく上ではお金が必要だけど、時間的に自由がないと心がすさむから、選択できる自由も必要だってことがわかったんです。だからこそ自分がしたいことをするのが大切だと思って、職業を選ぶ時に総合職っていうよりかは、マーケティングを自分で選べる会社がいいなと思ったんです。
ジェット石田:私は小杉湯のnoteをずっとひたすら月に1本、2本とか書いていたのが良い経験になったなと思います。がっつり就活のエピソードにもなりました(笑)。88周年の時に佑介さんから「改めて小杉湯の歴史を解説する記事を書いてほしい」って依頼されて書いた記事が小杉湯の社史となったわけですね。それで面接で「○○円で私はこの記事を書きました」って言うと、すっごいウケて(笑)。そんなこともあってなんとか書く仕事に就けたかなと思ってます。 (実際の記事:https://note.com/kosugiyu/n/n4f2617910d50)
――最後に、お二人にとってBUKUBUKUがどんな存在かを、一言で教えてください。
――ありがとうございました!