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“パラレルシンガー”七海うららさんインタビュー! 〜道の先の未知に、挑み続ける不屈のシンガー〜 Part2

今回はなんと、“リアルとバーチャルを行き来するパラレルシンガー”としてavexからメジャーデビューした、人気急上昇中の七海うららさんにインタビューさせていただきました!
2023年夏には自身のファーストワンマンライブが開催されるなど、今を駆け抜ける七海さんの学生時代とは。
人生において重要な選択をする場面が多い大学生。シンガーとしてだけでなく様々な経験を持つ七海さんなら、迷えるあなたにヒントを与えてくれるはず。

七海うららさんプロフィール

2020年よりYouTube、TikTokなどでカバー動画投稿開始。さまざまな音域の声を使い分け、ギャップで魅了する。2022年6月にはセルフプロデュースでVsinger活動を開始。YouTubeショートの活用を機に半年で約30万人の登録増加、同年12月には全VTuber内増加数世界1位となる。
ボーカルのみでなくイラスト、デザイン、動画などクリエイターとしてもマルチに活動中。2023年5月『ダイヤノカガヤキ』で
avexからメジャーデビュー。

大学生のキミへ。

一般企業への就職経験がある七海さん。そんな七海さんだからこそ、大学生に伝えていただけるメッセージがあるのではないでしょうか。

ーー企業に就職することと、パラレルシンガーとして活動することの大きな違いを教えてください。

シンガー活動をすることって、一から起業することに近いんです。
クリエイター的に言うとフリーランスに近くて、安定はないです。これをやれば絶対にうまくいくっていうのも無くて。
「音楽をやるぞ」と決めたときに、たくさんのアーティストさんがいる中でどうやって自分を知ってもらうかと考えることから始まるんです。

だから、心折れずにコツコツ試行錯誤をすることがめちゃめちゃ大事です。それが超ハードなんですよ。
めっちゃ考えて、想いとお金をたくさんかけながら頑張って作ったものが、想像以上に見てもらえないことも結構あります。

一方で、企業に就職していたら毎月お給料があるので安定はするじゃないですか。
活動自体は華やかに見られがちですけど、日々挑戦、挑戦、ずっと挑戦みたいな泥臭い部分はあると思います。

ーー自分の好きなことで生きていく大変さや、やりがいを教えてください。

いつか自分が誰からも目を向けられなくなるかもしれないという恐怖はありますね。
流行り廃りという言葉もありますから。全部が自分の責任ではないにしても、そういうふうに感じてしまいます。

やりがいは、今までやりたくてもできなかったことができているところですね。
たとえば、3DSのうごメモって知ってますか?
私は小さい頃、勉強関連以外のソフトは買ってもらえなかったのと、絵を描くのが好きだったので、ひたすらうごメモでパラパラ漫画を描いてました(笑)。

うごメモ界隈で繋がった友達と、今でもX(旧Twitter)で仲が良いんです。
そうやってコミュニティができるくらい私にとっては息抜きの場だったんですけど、親から「勉強しなさい」って言われるので、隠れてこっそりやってました。

でも今は「やめなさい」って言われていたようなことを堂々とできています。好きなことを仕事にできているのはとても嬉しいですね。
いくら歌ってても怒られないんですよ(笑)。

ーー学生時代にやってよかったことや、逆にやり残したことはありますか?

よかったことは、デザインゼミに所属していたことですね。
ゼミでは、デザインのテクニックだけでなく、考え方についても教えてもらいました。

伝えたいメッセージを明確にするために、情報をただ詰め込むのではなく、要らない部分を削ることってデザインにおいてめっちゃ大事で。そういった厳選力は、サムネイルを作る際など今の活動にもめっちゃ役立っています。デザインの力は、情報を効果的に伝えるために不可欠なんです。

学生時代に後悔していることは、「閃光ライオット」(注2)にエントリーせずに終わってしまったことですね。当時は大会へ参加することのハードルを結構高く感じてしまっていたので、一歩踏み出せなかったんですよ。

あと、それとは別に大きな規模の大会があったんですが、学内オーディションで落選してしまいました。
その落選の理由は、私の歌が下手なわけじゃなく「他のボーカルの子と声が合わないから」って言われて。めっちゃ頑張っていた分、とても悔しかったですね。

しかしその後、自分の低音の声を活かすために男性とバンドを結成したら、新たな評価を受けることができたんです! 挫折から立ち上がる力が身に付いたなと思います。

注2 「SCHOOL OF LOCK!」「Sony Music」「au by KDDI」の3社主催の、10代アーティストのみによる「ティーンネイジロックフェス」。なお2023年は、コロナ禍で行き場をなくしたアーティストにもチャンスをということで、20代アーティストも参加可能だった。