人気Web連載企画「早大学生芸人の現在地」シリーズでは、これまで数多くの早大学生芸人の皆さんに取材をしてきました。
今回は特別企画として早稲田大学お笑い工房LUDOのOBで、現在プロとして活躍中の友田オレさん(中央右)・惹女香花さん(右)、そして、学生芸人ラストイヤーを爆走中のナユタ おのはらさん(中央左)・ホリコシさん(左)の4人にスペシャルインタビュー『早大学生芸人の現在地とこれから』を実施!
8000字越えのロングインタビューを前編・後編の2回に分けてお届けします。
後半は衣装について議論を深めたり、将来について。
将来について
――芸人活動に専念すると決めたきっかけはありますか?
惹女:俺は本当にきっかけないかもな。そんなにテレビも出てないし。
K-PROのライブに出るようになって、芸歴5年目以下の若手の大会があって、3年生の時に出たら準優勝ぐらいまで行けたんですよ。そこからライブにいっぱい呼んでもらえるようになって。
去年からユニットライブやってて、毎月このメンバーでやりますよって言ってるのに「俺就職しますよ」って言うのはおかしいし、「養成所行きます」もおかしいし。
普通の芸人として扱ってもらえることが増えたから、もう芸人になるしかないなっていう。
友田:周りが道を決めてる感じがする。でも意志薄弱みたいな感じで捉えてほしくなくて。お笑いサークルに入っている時点で、そりゃ「芸人になりたいですよ」って想いはずっとある。「やれるなら芸人やりたいですよ」って気持ちでやってて、だんだん軌道に乗ってきたら、「じゃあなります」って。頭の片隅にあった願望を本筋に持ってくるみたいな感覚かもな。
――芸人以外の就職を考えたことはありましたか?
惹女:みんなは、大学入るときには就職するつもりだったでしょ?
おのはら:もう絶対就職。
惹女:俺も絶対就職しようと思ってた。マジ最悪。
ホリコシは最初から芸人になるつもりだったんでしょ?
おのはら:そうなんですよ! こいつはただ良い思いしてるだけ。やりたい放題。
惹女:おのはらは東大なわけじゃん。絶対就職できるよね。
友田:(おのはらは)高校生の時は芸人になるとはちっとも思ってなかった?
おのはら:もちろんそれは片隅にはありましたよ。片隅の願望ですけどね。
惹女:おのはらにとっての「最高」は、大学ではみんなに「めっちゃ活躍してすごい!」って言われて、「ありがとう! じゃあ」って言って一流企業に入るみたいな感じだよね。でも、ホリコシとか周りの大人に囲まれて、「もうこれは芸人か」みたいな。
おのはら:もちろん自分の意思はありますけど、本当に周りに引きずられて。
自分の意思で進路とかちゃんと決めたことないんですよ。高校も(県内で)一番のところ、大学も一番のところ。それでこれからも流れに身を任せてというか。
友田:本当にラッキーな人たちがここにいるよ。
惹女:ラッキーだよな。なんとなくでやってきて自分で決めてない。「俺もお笑いで頑張るぞ!」っていうよりも、もし社会人だったら、毎朝起きて時間に間に合うかどうか……っていう不安が大きい。こんなやつ社会人にはなれない。ライブに出てその分の出来高をもらう事しかできないんだろうな、って思う(笑)。
衣装って大事
――舞台に上がるときの衣装について、こだわりなどはありますか?
友田:プロになるとしたら、衣装とか髪型は早めに確定させた方がいい気がする。でも(ナユタの衣装が)私服感あるのはめっちゃいいと思うな。そういう漫才師がいないから。
ホリコシ:難しいですよね。クッキーモンスターをどうするか……。
惹女:今がめっちゃいいもんなぁ。だからガラッと変えちゃうとちょっとね。
友田:プロになるタイミングで変えられるように準備しててもいいかもね。
ホリコシ:おふたりはどのタイミングでその衣装に行き着いたんですか?
惹女:俺は初めてピンでライブ出る時ぐらいから。
友田:俺は最初からこれでやってる。初めはシャツ出てたし、髪めっちゃ長かったけど。
惹女:ロン毛じゃなくなったのはデカい気がする。あの時怖かったもん。(友田が)漫才で舞台に出るときに「ど~も~!」って言わなくて。
友田:あれ本当に良くなかった。
惹女: 世界観ある人のやつ(笑)。
ホリコシ:でも今、世界観を残しつつ、一般性・大衆性のあるネタをやれているのはすごいですよね。
惹女:俺はまだ(衣装が)正解に行き着いたとは思ってなくて、「とりあえず服を一旦固定してみた」というか。
友田:前に髪ちょっと上げてた時あったじゃん、 あれめっちゃ良かったけど。
惹女:プロを名乗り始めて1、2週間くらいのときに、髪を短く切りすぎてしばらく前髪を上げてたら「覚悟したやつ」みたいになった(笑)。プロになったからおでこ出したみたいな。でも俺はあんま出したくないんだよな。
ホリコシ:友田さんはいつから前髪上げてたんですか?
友田:短くしてからは多分ずっと上げてると思う。バンドやってたから、ビジュアル決めることがめっちゃ大事っていう刷り込みがあって。
惹女:衣装は、この色とこの色とか、色のイメージが付くとめっちゃいいよね。抽象化できるし。
真剣な顔で話す友田さん
――ナユタさんが今の衣装になったきっかけはありますか?
ホリコシ:今の衣装は、何個か試した中でしっくりきましたね。でも、いつ変えるかですよね。
友田:ナユタにはスーツ着て欲しくないっていう勝手なイメージあるな。私服の大学生2人が殴り込んできたから、みんな目を奪われたというか。なんか「M-1に若い2人が来たぜ!」っていう感じがめっちゃいい。新時代到来だぞ、みたいな。
もしナユタがプロになった時に、(衣装が)ゆるいけどちょっとオシャレな私服とかに変わってたら、「こいつらこのままで行くって決めてるんだ」っていう感じになってめっちゃアツいな。
ホリコシ:なるほど、マイナーチェンジみたいな。だから問題はこいつ(おのはらのクッキーモンスター)ですよね(笑)。
惹女:そういう感じのオリジナルキャラクターを誰かに書いてもらったら? 青くて、かわいらしい……。
ホリコシ:キャラクターいいですね。公募とかしようかな(笑)。
惹女:オリジナルだったらもう何も言われないし。むしろいい部分になると思う。
衣装の話をするナユタのおふたり
5年後の自分に向けて
――では最後の質問です。今回は学生芸人の現在地と目的地ということで、5年後の自分に向けたメッセージをご記入いただけますか?
惹女:5年後って28(歳)?
友田:うわ、リアルだな…….。
――いきまーす、せーの!
惹女:「さすがにもう売れといてほしい」です。5年もしたらみんなが知ってるくらいにはなっときたいな。別にめちゃくちゃテレビ出てなくてもいいんですけど、みんなが「面白いよね」と思うくらいの人にはなっておきたいなと。その後もっと行きたいですけど。5年後はさすがに売れといてほしい。売れてなかったらちょっと焦ってほしい。
友田:僕はもう「コント番組のレギュラー」。なっててくれ、と。やっぱり自分がテレビ見て育ってきた中で、『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』とか『サラリーマンNEO』とか、あと『爆笑レッドシアター』とか。やっぱりあれが一番ワクワクしたので、ああいうのをやれてたら最高だな。まあそれか、お笑いをやめてる場合は、知り合いの割といい会社で働いてて、ツテで(笑)。頑張ってるかい、みたいな感じがいいかな。
友田「コント番組のレギュラー」惹女「さすがにもう売れといてほしい」
ホリコシ:仕事に関することじゃないんですけど……。僕はあんまり飛行機乗ったことがなくて、離陸する瞬間がすごいワクワクするんですよ。でも周りにいる大人は飛行機乗り慣れてるから、「全然離陸なんて」みたいな顔してるのがなんかちょっとなと思って。いつまでも離陸にワクワクできる人間でいたいというか……。
友田:さすがに雑誌読んでるのはね(笑)。
ホリコシ:そうなんですよ! 多少は離陸に「おっ」てなるじゃないですか。だから、そういう日常のちっちゃなことでも当たり前と思わずに、一つひとつ感動できるように。ここを見失ってたら危ないよって5年後に言いたいですね。
おのはら:つい最近なんですけど、札幌のライブに出させてもらった時に会ったぷらたなすが最高に面白い人たちで。だから、彼らと仕事ができたら嬉しいっていう、本当にホットな(話題)のを書きました。
おのはら「ぷらたなすとのツーマンおめでとう!」
ホリコシ「小さいことにも感動してますか?」
――ありがとうございます!
みなさんが、5年後もその先もご活躍している姿が見られたら嬉しいなと思います。
プロフィール
友田オレ(ともだおれ)
福岡県出身。GATE所属(GATE タレントページはこちら!)。
早稲田大学お笑い工房LUDO OB(22期)。
惹女香花(ひきめかぎばな)
千葉県出身。グレープカンパニー所属。
(グレープカンパニー タレントページはこちら!)
早稲田大学お笑い工房LUDO OB(22期)。
ナユタ
おのはら
宮城県出身。東京大学経済学部4年。
早稲田大学お笑い工房LUDO所属(23期)。
ホリコシ
東京都青梅市出身。早稲田大学文学部4年。
早稲田大学お笑い工房LUDO所属(23期)。
出演情報
惹女香花 出演 『シスタン』
日時:9月13日(金)開場 19:00 / 開演 19:15
会場:浜田山会館
チケット:2000円(TIGETより予約、当日支払い)
『ナユタの伸びしろ!』配信中!
毎週月曜日17:00 Spotify等のポッドキャストで配信中!
「戸山の丘でイケてる写真を撮ってアイキャッチにするんだ!」
その思いは届かず、当日朝、大雨。皆さんに来ていただくのも忍びないくらいの、大雨。
雨だけではなく色々なトラブルに見舞われた取材当日、一時はどうなることかと思いましたが、何とか取材を決行し、記事公開に至っています(笑)。お忙しい中取材をご快諾いただき、本当にありがとうございました。
自分が大学1年生の夏から関わっていた「早大学生芸人の現在地」企画。立ち上げ人の先輩が引退し、後輩に力を貸してもらいながら企画を続けて、気付けば連載は7回も続いていました。企画はマス研HP内でも屈指の閲覧数を誇り、勝手に誇らしくなっていました。
取材をさせていただいた皆さんは社会人になってもお笑いを続けていらっしゃったり、プロになっていらっしゃったり、2・3年生で取材させていただいた方々は4年生になって大活躍していらっしゃってたり……。ご活動を見るたびに勝手に嬉しくなっていました。
私事ではありますが、本記事がサークル最後の企画です。
「最後に学生芸人企画でひとつ大きいことをしたい……!」と思い立ち、
色々な方からお名前を聞いていてずっと取材したかった惹女香花さん、
おふたりが2年生の頃にLUDOのライブでお見かけして衝撃を受けたナユタさん、
そして、当企画で一番初めに取材をお受けいただいた友田オレさんにお声がけし、
大学お笑い的にも個人的にも超豪華なメンバーで取材をすることができました。感無量です。
これまで取材を受けてくださったすべての学生芸人の皆様、
勝手にサークル員に取材しても全く怒らないでいてくださった早稲田大学お笑い工房LUDO様、
当企画の立ち上げ人である先輩、そして、執筆に関わってくれたすべてのサークル員に感謝しています。
本当にありがとうございました!