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ネットの中の有名人 ~ネタツイッタラー・トルコ体操~

140字という制限された文字数で、日常の出来事や自分の思ったことを自由につぶやくことのできるサービス、Twitter。
そのTwitterを「ネタツイ」のために利用する人がいる。
「ネタツイ」とは、「今日〇〇しました」のような個人的な出来事ではなく、その人のユーモアを表現したものを指す。
その「ネタツイ」を主としてつぶやく人のことを「ネタツイッタラー」という。
顔も性格もわからない人からつぶやかれるツイートは、テレビにはないネット独自の面白さや匿名性を活かしたユーモアの自由さなどを理由に多くの人から支持を集めている。また、11万人を超えるフォロワーを有する人気「ネタツイッタラー」もいる。

ネタツイッタラーの厳格な定義はないため、上記の定義はインターネットにおける通称のものである。
「トルコ体操」の特徴的なtwitterアイコン(再現)
ネタツイッタラーはTwitterに大量に存在しているが、その正体は謎に包まれている。
今回は、企画長と偶然インスタで繋がっていたフォロワー2・2万人(2023年2月現在)早大生ネタツイッタラー・トルコ体操さんに、ネタツイに懸ける思いについて聞いてみた。

ネタツイを始めたきっかけ

――まずネタツイを始めた経緯について教えてください。

始めたのが高校1年生のときで、「止まれ」っていう方と、「夏井フェスタマリナ」っていうツイッタラーの方がいて。その人たちのツイートを見て、テレビには絶対ない種類のユーモアというか「こういうユーモアの感じあるんだ」っていうのですごく衝撃を受けて。「当時この感覚わかるのは自分だけじゃね」みたいな、ちょっとイキっちゃって、ちょっとやってみようみたいな。そういう感じで始めましたね。

――「トルコ体操」というアカウント名の由来について教えてください。

でもほんとに由来がないんですけど、ただ、自分が高校1年生のとき自分の中で流行ってたのが、なんか「カタカナ+漢字」というか「カタカナ+熟語」の組み合わせで、響きもいいしちょっとシュールな感じがしていいかなっていうのがありました。形から入りましたね。

――アイコンが國村隼さんである理由についても聞かせてください。

アイコンは意外とちゃんと意味がありまして、アイコンとかやっぱりキャッチーな方がいいじゃないですか。キャッチーなのって何かなって考えたら、人の顔。風景とかよりもそっちの方が結構キャッチーだなと思って。ただ、それに使う人の顔が「トルコ体操」っていうのを邪魔してくると良くないなと。顔はすごい見たことあるけど、ぱっと名前が出てこない人、「トルコ体操」が負けないような。タモリさんとかだったらもうすぐ名前が出ちゃうから、そういう感じで名前に先行しないっていう理由であの國村隼さんにしたっていうのはあります。

 

中学時代「変に尖ってた」

――トルコ体操さん自身の性格について教えてください。

中学生時代は結構変に尖ってました。文化祭とか体育祭の後に打ち上げとかあるじゃないですか。近くのファミレスで団体予約して、みんなで行くのを本当はめっちゃ楽しみにして、楽しいなって飯食ってるんすけど、なんかちょっと尖っちゃって、途中で「ちょっと頭痛いから帰るわ」みたいな感じでした。そのめちゃくちゃ痛い時期を中学とかで経験してるから、大学ではいい年して、みたいなことはないんで、そういう面ではよかったです。
今の性格としては、すごい内向的になっちゃった。瞑想とかするんですよね。頭で考えてて友達作りたいとかも思わなくなるほどです。だからどんどんなんか良くない方にスピっちゃってる感じで。まず自分とは何かみたいなことをずっと考えてるので。どんどんちょっと考えすぎるとちょっと精神的に精神衛生が良くなくなっていくんですけど。

――普段はどのような大学生活を送ってらっしゃるのですか。

僕は、本当に友達が1、2人くらいしかいなくて、やっぱり学部棟とかにいると所在がない感じになっちゃうんで。22号館の地下1階にブース型の自習室があるんですけど、そこにずっといます。授業のある日にそこへ行って、ちょっと本読んだりとか、授業あったら出てすぐそこに帰るっていうのをベースにしてます。最近はKindleで読んでますね。Twitterで変に純文学みたいなことをつらつら書くような感じの語彙は、読んだ本から得てるかもしれない。

――ネタツイ活動をしていること、そしてフォロワーが2.2万もいることを周囲に公表しているか気になります。

公表……。自分からこういうのやってるよっていうのは言わないんですけど、高校2年生のまだそれこそフォロワーが1500人くらいのときに校外学習みたいなので鎌倉に行って、そのときに友達が「これ面白くない?」って言いながら携帯の画面を見せてきて、「それ自分のツイートだ」って思って。そのとき新学期だったんで別にそんな、そもそもあんまり仲良くなくてみたいなのあったんですけど「ちょっとこれで仲深めるか」と思って言いました。っていうパターンが2回ぐらいあって。

――「それ自分だよ」って言ったときどういう反応をされたんですか?

普通にその確率的にありえないじゃないですか。
当時なんかフォロワーも全然
少ない感じだったんで。だからもう結構なんかしらでだましてるんだと思われてて。
真剣に話してくださるトルコ体操さん

ネタツイに対する思い

――ネタツイの作り方を教えてください。

先におもしろワードみたいなのを決めて、そこからこの言葉を使って何かツイートを作りたいみたいな。言葉からですね。その言葉を頭に入れて携帯開いて、それで1分以内にできなかったらもう諦めてみたいな。

――その1分以内ってのには何か理由があるんですか?

 いやもう単純にTwitterにそんな時間使うの馬鹿らしいじゃないですか。最近案件とかももらえるようになってお金がちょっともらえることもあるんですけど。別にね、Twitterでちょっといいね欲しいとか言ってやるのは……。

――トルコ体操さん自身の一番好きなツイートを教えてください。

「一人称がピストルのおばさん」ってやつがありまして。それもうめっちゃ、もうなんの脈絡もなく一行でパッとこうツイートして3500いいねぐらい来たんですよね。そういう一行で架空の言葉でこんなにいいねつくのすごくないかと思って。ネタツイって「なんか、なんかわかんないけどおもろいな」みたいなのが、やっぱ一番いい形だと思ってて。テレビとかそういうお笑いっていうのと比べるとなんか形として定まってなさすぎて。だからなかなか受け入れられなかったり。超一部の人にはめっちゃ面白いってなるけど、テレビだったら「何あいつやばい」みたいな、「もう呼ばんとこ」みたいな感じになるんで。インターネットとかTwitterのいいところは刺さる人だけ持ち帰ればいい、みたいな感じなんで。だから「一人称がピストルのおばさん」っていうのはすごいそれに即したツイートだなと思って。

――トルコ体操さんにとってネタツイとは?

もう本当片手間にやるもんです。片手間にやるからこそ、ちょっとこう俯瞰した見方ができるというか。すごい熱入れてやっちゃうと、なんか狙いすぎてる感じになっちゃうんで。本当片手間にやるもんです。

 

ネタツイによって2万人以上もの人に愛されているトルコ体操さん。素性を明かさないネタツイッタラーが多い中、自身のことについて何でも気さくに話してくださった。
SNSが発達している今、ネタツイのような新しいユーモアの形はどんどん人気になっていくだろう。テレビとは異なるユーモアの形に、今後も注目したい。