お笑いサークルに所属する学生芸人を取材し、
活躍する彼らのありのままの姿に迫る企画です。
第一回のゲストは、早稲田大学お笑い工房LUDOに所属するピン芸人の友田オレさん。昨今、クセになるフリップネタでお笑いファンや関係者から注目を集めています。
今回は、大学お笑いの世界に入ったきっかけや学生芸人の活動、日常生活での思わぬハプニングなど、友田さんにたっぷりとお話を伺いました。
お笑いサークルに惹かれて早稲田大学へ
―はじめに、学生芸人を始めたきっかけを教えてください。
今思えば、小さい頃からお笑いが好きで、おちゃらけ少年だったかもしれないですね。高校時代からは友達や先輩に誘われて、文化祭でお笑いライブや大喜利企画をしていました。
高校3年生になって受験期に入り、周りが目標を持って受験に臨んでいるなか、自分にも勉強のモチベーションになるものはないかと思って、あれこれ調べました。それで知ったのが「早稲田のお笑いサークルは大規模」ということ。お笑いサークルを目的に早稲田を受験した感じですね。
―「友田オレ」という芸名の由来は何ですか?
これも特にないです。よくあるゲン担ぎで、名前に“ん”の付く芸人は売れると言いますが入ってないし。アーティストならORANGE RANGEやMrs.GreenAppleのように色が入っているといいと言いますけど、色が入っているわけでもないですし(笑)
「友田」というのは大学の教授から取りましたが、それもなんとなくです。「友田オレ」というのは「共倒れ」だけど、自分でもあまり意味が分からないです(笑)
お笑いが中心の大学生活
―最近はライブ、テレビなど様々な場所でご活躍されていますが、学生芸人をしていて嬉しかったことはありますか?
嬉しかったのは、プロの芸人さんのライブに呼んでいただいたときに、大好きなマセキ(芸能社)のきしたかのさんにお会いできたことです。お二人が楽屋で漫才のような掛け合いをしているところを見たときにはすごく感動しました。
―反対に、学生芸人をしていて辛かったことは何ですか?
大学1年生のときに、当時の3年生から厳しめのアドバイスを頂いたことです。ストイックな先輩方だったので、1年生の頃はかなり大変でした。ネタ作りにおいて辛かったことは普段考えないようにしています……。
―現在は大学お笑いの活動が生活の中心となっていますか?
そうですね。大学生活はLUDOでの活動が中心となっています。1つのコミュニティを見つけるとそこでいいかなとなってしまうので(笑)
でも、個性的な人が多くて各々違う話をしたりするので、疲れることもありますね(笑)日常会話から独特な面白いやつもいます。僕は2年生の夏から本格的にLUDOの活動に参加したのですが、同級生とも先輩とも仲良くなれました。
大学生ならではの日常とハプニング
ーお笑い中心の生活とのことですが、学業とはどのように両立されていますか?
落単は、留年はしないくらい、という感じです。ただでさえ両親に色々と負担してもらっているのにこれ以上貸しを作るわけにいかないので……。
実は昨日、家の鍵をなくして家に入れていなくて。
ーそうなんですか!?
それで以前、両親が家に来たことがあったので、母がスペアキーを持っていないかなと思い最後の切り札として訊いてみたんです。で「私が持ってるわけないでしょ」と言われ……。そういう積み重ねで、常に両親が一枚上手というか。
ーご両親は友田さんが学生芸人をしていることをご存知ですか?
知っていますね。父親は手放しに褒めてくれます。ライブにも1回来てくれましたね。母親には「応援してるけど安定した暮らしをしてほしい」と言われますね。
ー両立するのが大変そうだとお話を伺っていて感じます。ライブ等のある1日のスケジュールを円グラフに描いていただいてもよろしいですか?
そんなに忙しくないですけどね。
9時に起きて、2,3限に出席して、寝るのが深夜2時。「眠る」って書こうかな。あんまりここに「眠」って書く人いないか。
ーLUDOの活動は授業の後に行いますか?
そうですね、5,6限を使ってネタ見せをしています。週1〜2回でしょうか。
14時半に授業が終わって、17時からライブだとして。それまでの時間は、家でダラダラしてるかな。
ー家でダラダラする時間は、本当に「ダラダラ」しているんですか?
そうですね。スマホ見たり、寝たり、Netflix見たり。
21時ぐらいにライブが終わって、帰る前にみんなで飯食って。マジで普通に大学生してます。もうちょっと有意義にしたいですね。家に帰って何してるかな? ずっとスマホ見てるかもな……。
ーダラダラしている時間になんとなくネタを考えられたり……?
いや、もう聞かないでください(笑)
ー(笑)
友田さん自身が思う「友田オレ」とは
―ここで突然ですが、ご自身が考える「友田オレ」のキャッチコピーを、スケッチブックにご記入いただけますか?
自分で⁉ キャッチコピー……。むずすぎるって。
頭を悩ませつつ、まずスケッチブックの左上に「そ」と一文字書く友田さん。「早稲田のわ」と言いながら「わ」を書きます。「そわ」から始まる言葉を探し、「(ポスト)そわんわん」というコピーが完成しました。
―キャッチコピーを「(ポスト)そわんわん」にされた理由は何ですか?
YouTuberのそわんわんさんは、飾らない日常の動画で有名ですよね。やっぱり自然体が人を惹きつけると思うので。着飾って振舞っていてもいつかボロが出たり、人間同士そういうのを見抜かれたりします。つまり、 “飾らない自分らしさ”って大切ですよね。
お笑いの最先端を行く大学お笑い
―最後に、学生芸人のライブに興味のある方へ一言お願いします。
令和ロマンの高比良くるまさんがおっしゃっていたんですが、「大学お笑いがお笑いの最先端を行っている」というのは一理あると思っています。
テレビのお笑いとは全然違うことをやっているので、その面白さはあると思いますね。
―今の大学お笑い界で、友田さんが特に面白いと思う学生芸人さんをご紹介いただけますか?
4年生で一個上の先輩の、ホットコーナーさんというコンビです。
(漫才中の)二人の話し方とか、ずっと話してることで生まれる空気感の中に面白さがあって。何回も見ていくうちにどんどん好きになっていくんですよね。
第二回は、友田さんにご紹介いただいた「ホットコーナー」さんのインタビューを公開しております。続けてお楽しみください!
友田さんが組まれているコンビ「Let Me Show You THEまごころ」がM-1グランプリ2022二回戦に進出されています!
二回戦の日程・会場など詳しい情報は友田さんのTwitterアカウントよりご確認ください。