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「障がいも一つの特徴として受け止めて」 川端彩加さんインタビュー

「障がいも一つの特徴として受け止めて」 川端彩加さんインタビュー


生まれつき耳の聞こえない早稲田大学商学部の川端彩加さん。大学による支援を受けながら学生生活を送っています。
「障がいのある学生の存在があまり知られていないのではないか?」と話す川端さん。
誰ひとり取り残さない社会のために、私達は何を知っておく必要があるのでしょうか。

 

川端彩加さん。手に持っているのは透明マスク。


記者:川端さんの障がいはどういったものでしょうか?

障がいの名前としては「感音性難聴」というもので、生まれつき耳が聞こえません。
飛行機のエンジン音や車のクラクションが近くで鳴っていても聞こえないほど重いレベルです。
そのため、普段(入浴時と睡眠時以外)は人工内耳(※)をつけていて、ある程度は音が聞こえます。しかし、音そのものが歪んでいたり、文章や単語の中の特定の音が欠落していたりします。

※人工内耳:人工臓器の一つで、重度の聴覚障がいのある人に適応となる。人工内耳の使用には手術が必要で、聞こえる音は機械的に合成されたもの。

 

記者:日常生活ではどのような場面で困りますか?

コンビニやスーパーのレジでのやり取りに困ります。また、電車や商業施設のアナウンスでは、音自体は聞こえるのですが、正確に情報を掴むことができません。

 

記者:大学ではどのような情報保障(※)があるのでしょうか?

私は、早稲田大学障がい学生支援室のサポートによって授業を受けています。具体的には、有志の学生(以下、支援学生と呼ぶ)に音声情報を文字に起こしてもらったり、手話通訳をしてもらったりしています。

※情報保障:身体的なハンディキャップにより情報を収集することができない者に対し、代替手段を用いて情報を提供すること。(Weblio辞書より引用)

 

記者:支援を受けている時に困ることはありますか?

ディスカッションのある授業やゼミでは、先生や学生が同時に発話する場面が増えるほか、マスクにより声がこもります。
それにより、支援学生や手話通訳者が、先生や学生の話のスピードに追いつけなかったり、内容を聞き取れなかったりして、私に情報が伝わらないことがあります。
そのため、支援学生や手話通訳者だけでなく周りの人全員の協力が必要だと思います。

 

記者:早稲田大学を進学先として選んだ理由は障がい学生支援室があるからですか?

私の障がいの特性上、支援が必要になる場面はあるだろうと推測していたので、障がい学生支援室の存在は選んだ理由の一つです。
しかしそれ以上に、世界中、全国各地から学生が集まっているところに魅了されました。様々なバックグラウンドを持つ学生が在籍していることが早稲田大学の一番の魅力だと思います。

 

記者:周囲の人はどのように障がいのある人と接するのが望ましいと考えていらっしゃいますか?

難しい質問ですね……。私は自分の障がいについてオープンにしているので、自己紹介の際に耳が聞こえないと伝えることが多いです。
その後の反応は人によりけりですね。障がいについて気軽に聞いてくる方もいますし、困惑して黙ってしまう方もいます。

私は、障がいを一つの特徴として受け止めてほしいと考えています。たとえば、「野球が好きだ」と言われたとき、「へーそうなんだ」と感じますよね。私は障がいについても同じような反応をしてくれたらいいなと思います。

一方で、自身の障がいを開示したくないという方もいらっしゃいます。障がいがあるといっても、一人ひとりのバックグラウンドや考え方は異なるということを、障がいのある一個人の意見として伝えたいです。

 

川端さんが手話を使っているところ。
             これは「社会」という手話単語。                 

 

記者:川端さんは透明マスクを広めるために寄付を募っていますよね。この活動はどのような経緯で始まったのですか?

耳が聞こえない・聞こえにくい人は、会話する相手の口元を見て何を喋っているのか判断することが多いです。しかし、コロナ禍ではマスクの影響で口元が見えません。そのため、私は日常会話だけでなく授業にもついていくのが難しくなりました。

そこで、私と同じように困っている学生を助けたいと思い、NPO法人の協力のもと透明マスク普及プロジェクトを立ち上げました。口元や表情がはっきりと見える透明マスクは、耳が聞こえない・聞こえにくい学生の学びを止めないための一つの手段だと考えています。

透明マスクには安全性や費用面などの課題があります。それでも、配慮を必要とする人に適切なサポートを提供することが大切だと思います。

 

寄付活動についてもっと知りたい方はこちら▶https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20330

 

いかがでしたか? 早稲田大学には様々なバックグラウンドを持つ学生が在籍しています。
4月は出会いの季節。常に相手への想像力を持って関わることを忘れずにいたいです。

 

早稲田大学障がい学生支援室へのインタビュー記事はこちら▶早稲田の障がい学生支援-早稲田大学マスコミ研究会 (waseda-massken.com)