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漫画家支援 LEGIKA 経営危機を乗り越えた小崎理事長の手腕に迫る【『ワセキチ』Vol.42記事公開】

INTERVIEW LEGIKA 小崎文恵様

11月も中盤となり、寒くなってきましたね。
さて、今回は『ワセキチ』Vol.42の中から、NPO法人LEGIKAの理事長を務めていらっしゃる小崎文恵様へのインタビュー記事をご紹介します!

LEGIKAとは

 


NPO法人LEGIKA(旧NEWVERY)は、漫画家を目指す若者を筆頭に大学生やクリエイターの支援をしている団体です。
2022年5月より、団体名を「NEWVERY」から「LEGIKA」へ変更しています。
活動内容はマンガ制作事業や寮プロデュース事業など多岐にわたり、クリエイターを様々な角度からサポート。「トキワ荘プロジェクト」では、漫画家志望の集う寮を設立し、同じ夢を持つ者同士が切磋琢磨できるコミュニティを提供しています。学生寮「チェルシーハウス国分寺」では、寮生自身が主体性を持ち互いを高め合う環境を提供しています。「すべての人が能力を発揮できる自由な世界へ」LEGIKAの21世紀の常識に縛られない革新的なサービスは夢を追う人々の背中を押しています。

社会課題を解決できる会社が良かった

Q:「なぜLEGIKA(旧NEWVERY)への入職を決めたのですか?」

今後求められていくであろう社会的な課題解決の重要さに気がついたからです。企業的な利益追求だけではない、社会問題への解決に取り組む「NEWVERY」への転職を決めました。

また、前職での獲得が難しかった「深くものを考える力」を身につけたいと思ったからです。プロジェクトマネジメントを通して、経営者としての視野が広がり成長できると考えました。

 

Q:NEWVERYに入社後はどのような業務に当たりましたか?

入社後はチェルシーハウス国分寺の責任者として業務に当たりました。コンセプトは「学生時代に、やりたいことを徹底的に」であるため、寮生活のなかで偶発的に新しいことが起こる仕掛け作りを行います。例えば、寮生が自発的にクリスマスイベントや運動会を企画し、実施するよう促しました。
また、寮生が主体的に活動する環境を作るためには、日々の小さな業務の積み重ねも大切です。寮生間でのトラブルが起きたときに話し合いの場を設けたり、玄関の靴の片づけを促すLINEを送ったり、本当にコツコツ行いました。
口うるさく注意すると学生から抗議文が来たこともあります。しかし、抗議文を見ることで「学生に主体性のある、生きてる寮だ」と再確認できるため、嬉しく思っていました。

 

預金残高338円の危機を脱した経営戦略とは…?


Q:当時の経営状況にはどのような問題がありましたか?

2014年7月の入社時、NEWVERYの社内環境は、あまり整っているとは言えない状況でした。書類や社内規程といったコーポレート周りの仕組みがおざなりになっていたのです。また、2016年夏、大学の入試制度改革を受けてNEWVERYは大学のコンサルティング案件増加を見込んでいました。そのため、社員も増やしていました。しかし、実際は思っていた以上に仕事が取れず、売り上げも上がりません。このままでは億単位の赤字が生じ、法人運営が立ち行かなくなると予感していました。そして、2017年1月には団体の預金残高が338円に。
正直、「ダメだ、詰んだ」と思いましたね。

この状況を変えるため、根気強く団体を立て直す覚悟を決め、2017年3月に理事長に就任しました。

 

Q:理事長としてどのような取り組みを行いましたか?

まず初めに経営陣やスタッフのお金の使い方を改善しました。経営危機に陥った一番の要因は、法人として経営の管理・監督が不十分であったことです。例えば、それまで経営陣やスタッフにおいて、経費の使用に明確な制限はなく、業務に有益だという判断で自由にお金を使える状況でした。そのため、お金周りのルールを明確にし、経費の使い方がすぐに把握できるようにシステム化したのです。これらのルールを通じて、お金の使い方の重要性が徐々に浸透したのだと思います。

また、経営危機を乗り越える上では「やらないことを決める」点が重要です。今後の団体運営の柱となりうる事業以外は廃止していくことを決めました。赤字の事業については、速やかに撤退を進め、さらに今の時点で売上が大きくても、将来性に乏しい事業については業務の優先度を抑え、徐々に撤退を進めていったのです。具体的な例で言うと、2017年当時の主力事業であった大学向けの中退予防コンサルティング事業について、自分達が十分な価値を出すことができないと判断して、事業縮小と撤退を一気に進めました。

 

企業×漫画の時代

Q:2020年以降は収益増収を実現していますが、その決め手は何でしたか?

マンガ制作事業が挙げられます。企業や行政から頂いた資料に基づいて、漫画表現を取り入れた各種表現物の制作を行っています。

この事業は、現代の企業ニーズに即したものです。パーパス経営が注目される昨今、「企業の理念やストーリーをいかに伝えるか」が経営者の課題となります。その点、漫画ならば消費者にもユーザーにも伝わりやすい表現が可能です。実際の案件としては、外資コンサル企業によるアフリカでの人権保護の取り組みや、経産省が作成した未来年表の取り組みなどがありました。

LEGIKAとしての利点は、漫画家と二人三脚で仕事を行えることです。これまでシェアハウス事業を通じて「漫画家の住まい」の支援は行っていたものの、「漫画家の仕事」の直接の支援は不十分でした。私たちが漫画制作の仕事を依頼をすることで、プロの漫画家として必要なものをクリエイターに教えられると考えています。

事業を開始した2019年度以降も着々と収益を伸ばしつつあり、2020年度には経常収支を黒字化し、その後は法人全体の収益強化に大きく貢献しています。

 

実際の作品
『サラリーマン松田のささやかな幸福』(全24話)

 

Q:今後の展望をお聞かせください。

学生寮のようなコミュニティをつくる事業はもっと可能性があると思っています。今後は団体のアセットを生かした「コミュニティづくりのアドバイザー」としての仕事を伸ばして行きたいです。実際に2022年4月から「スタイリオネスト駒場東大前」という学生寮コミュニティのマネジメント事業も始まっています。

 

プロフィール

小崎 文恵(こざき ふみえ) 理事長 CEO
兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒。GCDF-Japanキャリアキャリアカウンセラー。
㈱パソナ(パソナキャリア)にてキャリアコンサルタントとして勤務後、2014年7月よりNEWVERY常勤職員として勤務。学生寮「チェルシーハウス国分寺」の責任者を務める。2015年1月より事務局長兼任。2017年3月、理事長に就任。

 

 

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